くにゅーニュース(2011年11月)
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オリンパス、20年間、損失隠し

2011年11月8日、光学機器メーカーのオリンパスが、企業買収時の巨額支出は、1990年代の有価証券の含み損を解消するためであったと発表した。

オリンパスでは、過去の企業買収時に巨額の支出をしていたという問題が持ち上がり、第三者委員会を立ち上げ、調査を行っていた。

第三者委員会の調査によると、オリンパスは1990年代、有価証券投資により巨額の損失が発生。
(約1千数百億円の含み損)
以降、含み損を損失計上せず、隠してきた。
2008年の企業買収時に、投資会社などに支払った多額の手数料などは、その有価証券の含み損を解消するために利用していた。

【オリンパス問題経緯】
2011年8月、月刊誌に、オリンパスが過去の企業買収において不透明な取引と会計処理を行なっていたと報じられる。
月刊誌の報道を受け、当時の社長・マイケル・ウッドフォード氏が調査を開始。
一連の不透明な企業買収は、菊川会長、森久志副社長が関わっていたことがわかり、ウッドフォード氏は両氏の引責辞任を求めた。
ところが2日後、取締役会において、ウッドフォード氏が社長を解任された。

社長解任という騒動により(大きく報道されることにより)、オリンパスの不透明な取引と会計処理が明らかに。
それが、株価の暴落やオリンパスに対する批判となった。
結果、オリンパスは第三者機関を立ち上げ(11月1日)、調査を行うことに。

11月8日、第三者委員会が、過去の買収案件は、90年代の有価証券投資等による損失(含み損)を解消するために利用されていたと発表。
(20年間にわたって、損失を隠していた)
なお、この問題について、現在、証券取引等監視委員会も調査を行っている。

<問題となった企業買収>
2008年、イギリスの医療機器メーカー・ジャイラス・グループ買収時に、ケイマン諸島に登記されていた投資助言会社「AXAMインベストメント」などに対し、ジャイラス買収額(2,117億円)の32%に相当する総額687億円もの報酬が支払われた。
(企業買収のコンサル料金は通常1%から5%が相場)
そして、AXAMは、その3ヵ月後、ケイマン諸島における金融業登録料未払いにより登録が取消された。
さらに同時期、アルティス(資源リサイクル)、ヒューマラボ(化粧品・健康食品販売)、ニューズシェフ(電子レンジ調理容器製造)を総額734億円で買収しながら、2009年3月期決算で、約557億円の減損処理を行なった。

*オリンパス事件の経緯や概要は、オリンパスやオリンパスが設置した第三者委員会が公表、発表したものを取りまとめたものです。今後、公的機関(証券取引等監視委員会)などの調査により、大きく変わってくることもあります。

【オリンパス】
日本の光学機器・電子機器メーカー。
(デジタルカメラ、顕微鏡、血液分析器、小型録音機などを製造、販売)
本社…東京都新宿区西新宿。
資本金…483億32百万円(2009年3月31日現在)
売上…9800億円強(連結、2009年)
利益剰余金は約1640億円、営業利益は毎年500億円前後、有利子負債は7000億円強。
売上における事業別比率は、医療が約40%、情報通信が約20%、映像が約20%、その他約20%。
胃カメラを製品化した企業として有名で、内視鏡(医療分野)では世界シェアの75%を占めている。
カメラ(デジタル一眼レフ)では、キャノン、ニコンに次ぐ3番目だが、上位2社には離されている。
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