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沈黙が続く、パトリオット事件

フィンランドのコトカ港で、貨物船から地対空ミサイルのパトリオット69発が発見された事件について、各国の沈黙が続いています。
      
2011年12月21日、フィンランドのコトカ港で、中国・上海行きの船舶から地対空ミサイルのパトリオット69発などが見つかり、防衛関連物資の違法輸送として、フィンランド警察が捜査しています。
   
この事件については、パトリオットミサイルを一般の貨物船に乗せたのはなぜか、必要な許可(正規の手続き)を取っていなかったのはなぜか、韓国の警備が同乗していなかったのはなぜか、など多数の疑問が噴出しています。
   
外交の専門家からは、このまま真実は闇の中に消えるとの意見が出ています。
真実が明らかになれば、戦争に発展する可能性のある事件との考えです。

■パトリオット不正輸送事件・経緯
2011年12月21日、フィンランド警察は、コトカ港で中国・上海行きの船舶から、地対空ミサイルのパトリオット69発などが見つかり、防衛関連物資の違法輸送として、捜査を開始したと発表。
     
フィンランド警察は、パトリオットミサイルを差し押さえるとともに、ウクライナ人の船長と一等航海士の取り調べを始めました。

フィンランドでは、防衛関連物資輸送には、国防省の許可が必要です。
今回の69発のパトリオットは、その許可を取っていませんでした。
     
船舶(英国船籍、デンマークのThorco社が所有)は、ドイツから中国・上海行き。
途中、フィンランドと韓国に寄港する予定でした。
     
69発のパトリオット・ミサイルは、書類上、花火と記載され、所有者は韓国軍の中佐になっていました。

2011年12月22日、ドイツ政府は、69発のパトリオットミサイルについて、中古のPAC-2で、ドイツから韓国への正規の輸送品であると明らかにしました。
 
韓国政府も、パトリオットミサイルについて、韓国が買い入れたものであると発表しました。
また、12月23日、中国政府の報道官は、このパトリオットミサイルについて、中国との関係を否定しました。

■パトリオットミサイル
アメリカ・レイセオン社が開発した、広域防空用の地対空ミサイルシステム。
     
20~35kmの範囲を防御するミサイルで、湾岸戦争時、イラク軍が発射したスカッドミサイルを撃墜したことにより有名となりました。
アメリカのほか、日本など西側同盟国10ヵ国以上が保有しています。