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オリンパス、監理銘柄(審査中)に追加指定

2011年12月6日、東京証券取引所は、オリンパスを監理銘柄(審査中)に追加指定したと発表。

オリンパスは、現在、監理銘柄(確認中)に指定されています。
今回、さらに監理銘柄(審査中)へ追加指定されました。

オリンパスが、6日提出した第三者委員会の調査報告書において、
・同社が行なった「のれん及びその償却や減損処理」を取り消す必要がある。
・過去の有価証券報告書等を訂正する予定。
との記載があり、これを受けての処置です。
     
*上場廃止基準に該当する可能性もあるための処分

【監理銘柄(審査中)】
上場廃止基準に該当する可能性があるとき、その事実を投資家に周知させるため、「監理銘柄」に指定。
さらに、上場廃止基準に抵触するかどうか審査しなければならないときは、「監理銘柄(審査中)」となります。

【オリンパス問題・経緯】
2011年8月、月刊誌に、オリンパスが過去の企業買収において不透明な取引と会計処理を行なっていたと報じられました。
     
月刊誌の報道を受け、当時の社長・マイケル・ウッドフォード氏が調査を開始。
一連の不透明な企業買収は、菊川会長、森久志副社長が関わっていたことがわかり、ウッドフォード氏は両氏の引責辞任を求めました。
      
ところが2日後、取締役会において、ウッドフォード氏が社長を解任されました。
社長解任という騒動により(大きく報道されることにより)、オリンパスの不透明な取引と会計処理が明らかになりました。
     
これが株価の暴落やオリンパスに対する批判となり、オリンパスは第三者機関を立ち上げ(11月1日)、調査を行うことになりました。

11月8日、第三者委員会が、過去の買収案件は、90年代の有価証券投資等による損失(含み損)を解消するために利用されていたと発表。
   
オリンパスは、20年間にわたって、損失(含み損は約1千数百億円)を隠していました。
なお、この問題について、現在、証券取引等監視委員会も調査を行っています。

■問題となった企業買収
2008年、イギリスの医療機器メーカー・ジャイラス・グループ買収時に、ケイマン諸島に登記されていた投資助言会社「AXAMインベストメント」などに対し、ジャイラス買収額(2117億円)の32%に相当する総額687億円もの報酬が支払われました。
     
企業買収のコンサル料金は、通常1%から5%が相場です。
AXAMは、その3ヵ月後、ケイマン諸島における金融業登録料未払いにより、登録が取り消されました。
   
さらに同時期、アルティス(資源リサイクル)、ヒューマラボ(化粧品・健康食品販売)、ニューズシェフ(電子レンジ調理容器製造)を総額734億円で買収しながら、2009年3月期決算で、約557億円の減損処理を行ないました。

*オリンパス事件の概要は、オリンパスやオリンパスが設置した第三者委員会が公表したもの。今後、公的機関(証券取引等監視委員会)などの調査により、大きく変わってくることもあります

【オリンパス】
日本の光学機器・電子機器メーカー。
デジタルカメラ、顕微鏡、血液分析器、小型録音機などを製造、販売しています。
    
本社…東京都新宿区西新宿。
資本金…483億32百万円(2009年3月31日現在)
売上…9800億円強(連結、2009年)
利益剰余金は約1640億円、営業利益は毎年500億円前後、有利子負債は7000億円強。
       
売上における事業別比率は、医療分野が約40%、情報通信分野が約20%、映像分野が約20%、その他約20%。
    
胃カメラを製品化した企業として有名で、内視鏡(医療分野)では世界シェアの75%を押さえています。
カメラ(デジタル一眼レフ)では、キャノン、ニコンに次ぐ3位だが、上位2社には離されています。