Qnewニュース

パトリオット事件、これで幕引き

2012年1月5日、コトカ港において船舶からパトリオットミサイルが発見された事件で、取り調べを受けていたウクライナ人の船長と一等航海士が釈放されました。
       
また、フィンランド政府は、4日、韓国に武器・兵器貨物の輸送許可を与えました。
      
これにより、パトリオットミサイル69基は、韓国へ向け、輸送されることになりました。
専門家からは、事実上、これでパトリオット不正輸送事件は幕引きとの意見が出ています。

■パトリオット不正輸送事件・経緯
2011年12月21日、フィンランド警察は、コトカ港で中国・上海行きの船舶から、地対空ミサイルのパトリオット69発などが見つかり、防衛関連物資の違法輸送として、捜査を開始したと発表。
     
フィンランド警察は、パトリオットミサイルを差し押さえるとともに、ウクライナ人の船長と一等航海士の取り調べを始めました。

フィンランドでは、防衛関連物資輸送には、国防省の許可が必要です。
今回の69発のパトリオットは、その許可を取っていませんでした。
     
船舶(英国船籍、デンマークのThorco社が所有)は、ドイツから中国・上海行き。
途中、フィンランドと韓国に寄港する予定でした。
     
69発のパトリオット・ミサイルは、書類上、花火と記載され、所有者は韓国軍の中佐になっていました。

2011年12月22日、ドイツ政府は、69発のパトリオットミサイルについて、中古のPAC-2で、ドイツから韓国への正規の輸送品であると明らかにしました。
 
韓国政府も、パトリオットミサイルについて、韓国が買い入れたものであると発表しました。
また、12月23日、中国政府の報道官は、このパトリオットミサイルについて、中国との関係を否定しました。

2012年1月4日、フィンランド政府が、韓国に武器・兵器貨物の輸送許可を与えました。
2012年1月5日、フィンランド政府は、ウクライナ人の船長と一等航海士を釈放しました。

■パトリオットミサイル
アメリカ・レイセオン社が開発した、広域防空用の地対空ミサイルシステム。
     
20~35kmの範囲を防御するミサイルで、湾岸戦争時、イラク軍が発射したスカッドミサイルを撃墜したことにより有名となりました。
アメリカのほか、日本など西側同盟国10ヵ国以上が保有しています。