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日銀、新たな金融緩和を見送る

2012年10月5日、日本銀行の金融政策決定会合が開催され、現行の金融政策のまま、据え置くことを決定した。
(新たな金融緩和は行わず)

先月行われた金融政策決定会合では、金融資産買入等の基金を10兆円増額(金融緩和)したが、それ以降も円高が続いていたため、追加の金融緩和を求める意見が多数あがっていた。
(アメリカがQE3を始めたため、日本もそれに対応する緩和をしないと、さらに円高となる)
(民間の要請を、日銀が見送った形)


一方、
「今回の金融政策決定会合には、前原誠司・国家戦略担当大臣(経済財政政策も担当)が出席するため、金融緩和は行わない」
という意見も、事前に市場からあがっていた。
(日銀は独立機関のため、内閣の要請に応じる形は取らない)
(応じれば、政治的に中立と言えなくなるため)


【QE3】
「Quantitative Easing program 3」を略したもの。
日本語に訳すと、「3回目の量的緩和政策」
(QEは過去2回行われているため、今回が3回目となる)

アメリカ・FRBが通貨量を増加させ、景気を刺激する政策。
具体的は、FRBが市場の国債や債券を購入することで、市場の資金量を増大させる。

QEは、過去2回行われており、
1回目のQE(QE1)は、2008年11月~2010年6月まで(8ヵ月)行われ、1兆7250億ドルの国債、MBSなどを購入。
(通貨量が1兆7250億ドル増加)
2回目のQE(QE2)は、2010年11月~2011年6月まで(8ヵ月)行われ、6000億ドルの国債を購入。

3回目の今回は、2012年9月から始め、月400億ドルのMBSを購入する。
(失業率が下がるまで続けられる。実際、どこまでやるかは未定)

なお、この量的緩和政策が行われると、ドルの通貨量が増大するため、ドルの価値が下がり円高となる。

【日銀の金融緩和策・経緯】
2012年2月14日、金融政策決定会合で、
・今年の物価上昇率を1%に設定。
・市場に供給する基金の規模を、これまでより10兆円増やす。
が決定。
(長期国債の買い入れ等の金額を、55兆円から65兆円に増やした)
(事実上、日銀による国債の買い入れで、日本の通貨量が10兆円増加する)

その後、この10兆円の通貨量増加は、為替(ドル円)を約3.5円、円安に。
(1ドル77円後半から、1ドル81円前半に)

2012年3月の金融政策決定会合では、さらなる金融緩和策が見送られた。
(宮尾委員が、市場に供給する基金を、さらに5兆円増やすことを提案したが、他の委員は反対、否決された)
(市場からは、1ドル90円~100円の為替レートが妥当との意見が多数)
(もっとも有効な円高対策は、通貨量を増加させること)

2012年4月初めの金融政策決定会合でも、さらなる金融緩和策は見送られた。

2012年4月27日、金融政策決定会合で、市場に供給する基金の規模を5兆円増やすことが決定。
(市場に供給する基金を65兆円から70兆円に増やした)
           
2012年5月23日、金融政策決定会合で、新たな金融緩和は見送られた。
2012年6月15日、金融政策決定会合で、新たな金融緩和は見送られた。
2012年7月12日、金融政策決定会合で、新たな金融緩和は見送られた。
2012年8月9日、金融政策決定会合で、新たな金融緩和は見送られた。

2012年9月19日、金融政策決定会合で、市場に供給する基金の規模を10兆円増やすことが決定。
(市場に供給する基金を70兆円から80兆円に増やした)
(アメリカがQE3をスタートさせたことを受けた形)

2012年10月5日、金融政策決定会合で、新たな金融緩和は見送られた。

【政策委員会委員】
・白川方明(総裁)…日本銀行理事、2013年4月
・山口廣秀(副総裁)…日本銀行理事、2013年3月
・西村清彦(副総裁)…東京大学教授、2013年3月
・宮尾龍蔵…神戸大学教授、2015年3月
・森本宜久…東京電力副社長、2015年6月
・白井さゆり…慶応大学教授、2016年3月
・石田浩二…三井住友ファイナンス社長、2016年3月
・佐藤健裕…モルガン・スタンレー証券、2017年6月
・木内登英…野村証券金融経済研究所、2017年6月
(年月は、政策委員の任期)

【日本銀行政策委員会】
日本銀行の最高意思決定機関。
原則として、月1、2回定期的に行われ、公定歩合の決定など日銀の政策を決定する。

総裁、副総裁(2名)、審議委員(6名)の計9名の委員で構成されている。
委員は、すべて内閣が任命し、任期は5年。
(任命には国会の同意が必要)

【日本の通貨量(2012年1月)】
(日本銀行発表・マネーストック速報)
・M3…1113.2兆円
・広義流動性…1458.4兆円

*M3…現金通貨+預金通貨+準通貨+CD(譲渡性預金)
*広義流動性…M3+金銭の信託+投資信託+金融債+銀行発行普通社債+金融機関発行CP+国債+外債
*一般的には、日本の通貨量といえば「M3」。
*ただし、通貨量は「広義流動性」のほうだという意見も。


ニュースINDEX.2012年10月①
★政治・国内
『日銀』

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