中国人民解放軍、インドから撤収
2013年5月6日、中国人民解放軍が、カシミール地方の停戦ラインのインド側(カシミール地方)から撤収した。
(インド各紙が報道するとともに、インド政府も認めた)
先月15日、中国の人民解放軍が、停戦ライン(実効支配線。LAC)を越えて、インド側(カシミール地方)に10キロ以上、侵入。
以後、インド軍と、侵入した中国人民解放軍の緊迫した『にらみ合い』が続いていた。
結局、インド軍幹部があらゆる手段をとるとの強い方針を示し(中国人民解放軍の補給路を断つとの意思も)、ようやく撤収した形。
また、中国人民解放軍の侵入を受け、インド国内では「反中デモ」が発生した。
【インド・中国国境問題】
1962年、中国がインドに侵攻。
「インドー中国戦争」と呼ばれる戦争が始まった。
戦闘は、10月20日から11月21日まで続き、中国が勝利、インドの領土を占拠した。
(戦闘は、カシミールとその東部地域のアクサイチン、ラダック・ザンスカール・バルティスターン、ブータンの東側・東北辺境地区で起こり、約2千名の戦死者が出た)
(中国は軍事的優位になるまで待ち、軍事侵攻を行った。相手国より軍事的優位に立つと侵略する、いつもの中国の手法)
その後、停戦となり、このときの停戦ラインが『実効支配線(LAC)』。
以降、このLACを挟み、インドと中国が対峙することに。
(LACは、4000km以上の長大なもの)
なお、この停戦以後も、両国の間で紛争が続いた。
(ただし、局地的なものに止まった)
また、この中国との紛争を契機に、インドは核兵器開発に着手。
(現在では、核保有国)
近年に入り、関係改善が図られてきたが、領土問題が両国関係に大きな影響を与えている。
(2005年に「戦略的パートナーシップ」に合意)
(表面的には改善が図られているように見えても、実際にはさらに深刻化している)
<参考資料>
・外務省:外交史料館報 第19号(平成17年9月)1960年代における「日豪印提携構想」とアジア太平洋の国際関係(高橋和宏)
・外務省:世界の動き
・外務省:最近のインド情勢と日印関係(平成20年12月)
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