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シリア和平へ、「ジュネーブ2」行われる

2014年1月22日(現地時間)、スイス・モントルーで、シリアに関する国際会議(ジュネーブ2)が開催された。

シリアは、2011年にチュニジア・ジャスミン革命の影響に受け、反政府デモの広がり、その後、国内は騒乱状態。
これを受け、2012年6月、ジュネーブでシリアに関する国際会議が開催された。
今回は、2回目となる国際会議(このため「ジュネーブ2」と呼ばれている)で、当事者のシリア政府と反体制派の両方が参加。

会議はお互いの主張を述べるだけで進展はなかったものの、とりあえず、1つのテーブルにつくことができた。
(テーブルにつかなければ、和平交渉は進まない)

【ジュネーブ2(概要)】
(外務省発表のものを、Qnewニュースがまとめたものです)

<会議での各国、当事者の発言>
ラブロフ・ロシア外相…シリア人が自らの将来を決めるべきであり、すべてのシリア人が参加する対話を求めると発言。
ケリー・アメリカ国務長官…政権を移行させるべき。自国民に暴力を行うアサド大統領は、統治者になり得ないと発言。
ムアッリム・シリア外相…シリア政府は外国から支援されたテロリストと戦っている。シリアの統治者や憲法はシリア国民のみが決定すると発言。
ジャルバー国民連合議長(シリア反体制派)…アサドの退陣以外、交渉の余地はないと発言。
岸田外務大臣…美しいシリアを取り戻すことが、今回の目標。暴力の即時停止を訴える。また、日本はこれまでの約2.8億ドルのシリア人道支援・周辺国支援に加え、総額約1.2億ドルの追加的な支援を準備していると発言。

<会議の成果>
・会議では、シリア政府、反体制派、各国ともに、自分の意見や主張を述べるに留まった。
(妥協せず、対立したまま)
・シリア政府と反体制派の双方が、直接対話のテーブルにつくことができた。
(会議のテーブルにつくことが、はじめの一歩)

【シリア】
シリアは、正式には「シリア・アラブ共和国」(シリアは通称)。
中東・西アジアの共和制国家。

北はトルコ、東はイラク、南はヨルダン、西はレバノン、南西はイスラエルと接し、北西は地中海に面する。
国土面積は18.5万平方キロメートル(日本の約半分)。
首都は、ダマスカス。
人口は、2082万人(2011年)
(アラブ人が90%。クルド人、アルメニア人などが10%。2009年)
(イスラム教・スンナ派が74%、イスラム教徒・シーア派などが16%、キリスト教徒10%)


シリアは歴史が古く、古代にはメソポタミアの中に含まれ、その後、アッシリア、バビロニア、ギリシア、ローマ、ビザンチン帝国、イル汗国、オスマン帝国と支配者が変わった。
1918年にオスマン・トルコより独立するも、1920年にフランスの委託統治領に。
1946年、フランスから独立、共和制国家となった。

現在の大統領は、2000年に就任したバッシャール・アル・アサド大統領(任期は7年。2期め)
(1970年から大統領を務めたハーフェズ・アサド前大統領の次男)
(共和政体下にあるものの、実質はバアス党による一党支配)


<近年の情勢>
2011年、チュニジア・ジャスミン革命の影響に受け、反政府デモの広がった(シリア騒乱)。
2012年、反政府勢力が「シリア国民連合」に統合され一つに。さらに、騒乱が拡大。
2013年2月、国連人権高等弁務官事務所は、シリア騒乱での死者が7万人に迫っていると発表。

アメリカは、ヒズボラ、パレスチナ過激派支援などを理由に、シリアをテロ支援国リストに掲載している。
一方、ロシア、中国、イランは、シリア・アサド政権を支持している。
(ロシアとはソ連時代からの友好国。最新鋭の弾道ミサイル等の武器を援助している)
(中国は、資源開発や投資分野で関係を深めている)


2013年8月、国連安全保障理事会に、シリアへの軍事行動を認める決議案が提出される。
しかし、ロシア、中国が反対にまわり、採択される見通しは立っていない。
(シリアで、化学兵器が使用されたことを受けた軍事介入)

これを受け、アメリカは多国籍での軍事行動を計画するが、イギリス議会がシリアへの軍事行動を否決(8月29日)。
(イギリスは軍事行動に加わらないことを決めた)
2013年8月31日、オバマ・アメリカ大統領は、シリアへの軍事行動について、議会の承認を求めることにした。

2013年9月5、6日開催された、サンクトペテルブルグ(ロシア)G20サミットでは、終始「シリアへの軍事行動」問題に費やされる。
G20サミット終了後、プーチン大統領(G20議長)は、シリアへの軍事行動にロシア、中国、インド、インドネシア、アルゼンチン、ブラジル、南アフリカ、イタリアが反対していると明言。
(G20閉会後も、アメリカ、ロシア間で、シリア問題について話し合いが続けられた)

2013年9月14日、シリアの化学兵器問題に関して、アメリカ・ロシアで合意に達する。
・今後数日内に、化学兵器禁止機関(OPCW)執行理事会に、シリアの化学兵器の廃棄とその検証に関するプログラムを提出することで一致。
(プログラム…OPCWが現地査察を本年11月までに完了。化学兵器の製造装備等の廃棄を本年11月までに完了。すべての化学兵器の物質、装備の除去を来年前半に完了する)
・国連安保理決議の採択に向けて協力していくことに一致。
(アメリカ・ロシアは、不履行が発生した場合には、安保理が憲章第7章に基づく措置を課す)

2013年9月27日、国連安全保障理事会が,シリアの化学兵器廃棄に関する決議を全会一致で採択。
2013年9月28日、オランダ・ハーグの化学兵器禁止機関(OPCW)本部で執行理事会の特別会合が開催され、シリアの化学兵器廃棄に関する決定が採択された。

2014年1月22日、スイス・モントルーで、シリアに関する国際会議(ジュネーブ2)が開催される。

*参考…外務省発表、「シリア・地域情勢」

ニュースINDEX.2014年1月③
★政治・国際
『シリア』

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