エルニーニョ現象、秋に発生見込み
2014年7月10日、気象庁が、エルニーニョ監視速報(2014年6月)を発表。
(大平洋赤道域・東部の海洋の状況)
6月のエルニーニョ監視海域・海面水温は+0.8℃。
気象庁は、夏の後半には基準値に近づき、秋から冬にかけて基準値より高い値へ推移すると予測。
そのため、夏にエルニーニョ現象が発生する可能性は、これまでの予測より低くなった。
一方、秋にエルニーニョ現象が発生する可能性が高いとした。
*2014年のエルニーニョ監視海域・海面水温は、基準値と比べ、1月がー0.2℃、2月がー0.8℃、3月がー0.1℃、4月が+0.3℃、5月が+0.6℃、6月が+0.8℃。
【エルニーニョ現象】
大平洋赤道域・東部(日付変更線付近~南米のペルー沿岸)の海域で、海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象。
逆に、平年より低い状態が続く現象は「ラニーニャ現象」と呼ばれている。
日本の気象庁では、大平洋赤道域・東部の海面水温が、基準値と比べ、5ヵ月移動平均値で+0.5℃以上となった場合、「エルニーニョ現象が発生」と定義している。
逆に、ー0.5℃以下となった場合は、「ラニーニャ現象が発生」としている。
このエルニーニョ現象(ラニーニャ現象も)が発生すると、通常とは異なる大気の流れとなり、世界中で異常な天候が起こることが多い。
(発生のメカニズムについては、まだ解明されていない。多数の説がある)
日本においては、「梅雨が長引き、夏は冷夏、冬は暖冬」となる傾向がある。
有名なのは、1993年と2009年。
1993年の夏は大冷夏となり、日本の稲作はほとんどの地域で不作となった(1993年の米騒動)。
2009年の夏はアジア全土で多雨、西日本で長期的な豪雨となった。
*参考…気象庁発表、エルニーニョ現象について
<日本におけるエルニーニョ時の天候>
(気象庁発表をまとめたもの)
○夏(6〜8月)
・平均気温は、北日本、東日本、西日本で低い傾向に。
・降水量は、北日本太平洋側と西日本日本海側で多い傾向。
・日照時間は、北日本、西日本太平洋側、沖縄・奄美で少ない傾向。
○秋(9〜11月)
平均気温は、北日本と東日本で高い傾向に。
一方、沖縄・奄美では低い傾向。
降水量は、西日本で少ない傾向。
一方、北日本太平洋側では多い傾向。
○冬(12〜2月)
平均気温は、東日本、西日本、沖縄・奄美で高い傾向に。
降水量は、北日本と東日本日本海側で少ない傾向。
一方、沖縄・奄美では多い傾向に。
○春(3〜5月)
平均気温は、全国で高い傾向に。
降水量は、西日本で多い傾向が。
一方、北日本太平洋側では少ない傾向となっている。
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