くにゅーニュース(Qnewニュース)
Qnewニュース・ホーム
新たなガイドライン、承認される

2015年4月27日、アメリカ・ニューヨークにおいて、日米安全保障協議委員会が開催され、新たな日米防衛協力のための指針(ガイドライン)が承認された。

日本側からは岸田文雄外務大臣、中谷元防衛大臣が、アメリカ側からはジョン・ケリー国務長官、アシュトン・カーター国防長官が出席し、ガイドラインだけでなく、中長期的な日米安保・防衛協力や在日米軍の再編等についても協議が行われた。

ガイドライン(日米防衛協力のための指針)は、1978年に初めて了承された、安全保障における「日米両国の役割、任務、協力、調整の在り方についての一般的な大枠、政策的な方向性」を示すもの。
1997年にガイドラインの見直しが行われ、その後、2013年から新たな見直しが行われていた。
(2013年からの見直しが今回の承認で終了した)

【ガイドライン概要(日米防衛協力のための指針)】
(2015年4月27日)
<1、防衛協力と指針の目的>
日本の平和、安全を確保するため、アジア太平洋地域及びこれを越えた地域が安定し、平和で繁栄したものとなるよう、防衛協力は次の事項を強調する。
・切れ目のない、力強い、柔軟かつ実効的な日米共同の対応
・日米両政府の国家安全保障政策間の相乗効果
・政府一体となっての同盟としての取組
・地域の及び他のパートナー並びに国際機関との協力
・日米同盟のグローバルな性質

<2、基本的な前提及び考え方>
■日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力、安全保障条約(日米安全保障条約)、その関連取極に基づく権利、義務、日米同盟関係の基本的な枠組みは変更されない。

■全ての行動は、国際連合憲章の規定、国際法に合致するものである。

■活動は、各々の憲法、国内法令、国家安全保障政策の基本的な方針に従って行われる。日本の行動は、専守防衛、非核三原則等の日本の基本的な方針に従って行われる。

■指針は、立法上、予算上、行政上の措置をとることを義務付けるものではなく、また、いずれの政府にも法的権利、義務を生じさせるものではない。しかしながら、具体的な政策、措置に適切な形で反映することが期待される。

<3、強化された同盟内の調整>
日米両政府は、情報共有を強化し、切れ目のない、実効的な、政府全体にわたる同盟内の調整を確保するため、あらゆる経路を活用する。
この目的のため、日米両政府は平時から利用可能な同盟調整メカニズムを設置し、運用面の調整を強化し、共同計画の策定を強化する。

<4、日本の平和及び安全の切れ目のない確保>
日米両政府は、平時から緊急事態までのいかなる段階においても、切れ目のない形で、日本の平和及び安全を確保するための措置をとる。
・海洋安全保障を強化するため、緊密に協力する。
・日本政府は、自国の国内法令に従い、後方支援及び関連支援を行う。
・日本に対する武力攻撃が予測される場合、日米両政府は、日本の防衛のために必要な準備を行いつつ、武力攻撃を抑止し及び事態を緩和するための措置をとる。
・日本に対する武力攻撃が発生した場合、日米両政府は、極力早期にこれを排除し及び更なる攻撃を抑止するため、適切な共同対処行動を実施する。
・日本以外の国に対する武力攻撃へ対処するため、国際法、憲法、国内法に従い、日米両国は緊密に協力する。対処は政府全体にわたる同盟調整メカニズムを通じて調整される。
・自衛隊は、日本と密接な関係にある他国が武力攻撃を受け、これにより日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合、武力の行使を伴う適切な作戦を実施する。

<5、地域、グローバルな平和と安全のための協力>
日米両国は、アジア太平洋地域及びこれを越えた地域の平和、安全、安定及び経済的な繁栄の基盤を提供するため、主導的役割を果たす。

<6、宇宙、サイバー空間に関する協力>
■宇宙に関する協力
・平和的かつ安全な宇宙の利用を確実なものとするため、両政府の連携を維持強化する。

■サイバー空間に関する協力
自衛隊、米軍は次の措置をとる。
・ 各々のネットワーク及びシステムを監視する態勢を維持すること
・ サイバーセキュリティに関する知見を共有し、教育交流を行うこと
・ 任務保証を達成するために各々のネットワーク及びシステムの抗たん性を確保すること
・ サイバーセキュリティを向上させるための政府一体となっての取組に寄与すること
・ 平時から緊急事態までのいかなる状況においてもサイバーセキュリティのための実効的な協力を確実に行うため、共同演習を実施すること

<7、日米共同の取組>
日米両政府は、次の分野を発展させ、強化する。
・防衛装備・技術協力
・情報協力・情報保全

<8、見直しのための手順>
日米安全保障協議委員会は、変化する情況に照らして適切なものであるか否かを定期的に評価する。
必要と認める場合には、日米両政府は、適時かつ適切な形でこの指針を更新する。

*ガイドライン概要は、ポイントとなるところ、重要なところをわかりやすく、Qnewニュース編集部がまとめたものです。これがすべてではありません。

ニュースINDEX.2015年5月①
★政治・国際
『アメリカ』

Qnewニュース