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イコモス、産業革命遺産を記載勧告

2015年5月4日、イコモス(世界遺産委員会の諮問機関)が、世界遺産登録を目指す「明治日本の産業革命遺産」について、「記載」とする評価をユネスコ世界遺産委員会に勧告した。
(同日、ユネスコ世界遺産センターから日本に通知された)

イコモスの勧告は、 推薦案件の名称を「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」と変更した上で、「記載」との評価。
23の構成資産すべてが、本件遺産の構成要素として認められた。

この「勧告」を踏まえ、 6月28日から7月8日まで、ドイツ・ボンで開催される第39回世界遺産委員会において、世界遺産一覧表への記載の可否が決定される。

*世界遺産委員会…ユネスコの世界遺産に関する委員会。世界遺産条約締約国総会で選出された21ヵ国からなり、決定は過半数の国の出席し、投票数の「3分の2以上」の賛成が必要。

<イコモスの評価>
以下の4つの評価に分かれる。
1、記載…世界遺産一覧表に記載すべきもの。
2、情報照会…追加情報の提出を求めた上で、次回以降に再審議。
3、記載延期…より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要なもの。
4、不記載…世界遺産の登録記載にふさわしくないもの。
*世界遺産委員会でも、同様の評価を行い、登録の可否を決定する
*委員会で不記載決議となった場合、例外的な場合を除き、再推薦は不可となる

【明治日本の産業革命遺産】
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、日本が半世紀で産業国家に変貌した過程を時間軸に沿って示したものであり、九州・山口などの各地域に所在する複数の産業遺産(製鉄・鉄鋼、造船、石炭)を一つの「群」としてまとめたもの。
8つのエリア、23件の構成資産からなる。

<萩エリア(山口県)>
■萩反射炉、恵美須ヶ鼻造船所跡、萩城下町、大板山たたら製鉄遺跡、松下村塾(萩市)

<鹿児島エリア>
■旧集成館、寺山炭窯跡、関吉の疎水溝(鹿児島市)

<佐賀エリア>
■三重津海軍所跡(佐賀市)

<韮山エリア(静岡県)>
■韮山反射炉(伊豆の国市)

<釜石エリア(岩手県)>
■橋野高炉跡・高炉跡(釜石市)

<長崎エリア>
■小菅修船場跡、第三船渠、ジャイアント・カンチレバークレーン、旧木型場、占勝閣、高島炭坑、端島炭坑(軍艦島)、旧グラバー住宅(長崎市)

<三池エリア(福岡県、熊本県)>
■三池炭鉱・三池港(福岡県大牟田市、熊本県荒尾市)、三角西港(宇城市)

<八幡エリア(福岡県)>
■官営八幡製鐵所(北九州市)、遠賀川水源地ポンプ室(中間市)

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『世界遺産』

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