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ジカ熱感染、神奈川県内の女性、流行後6例目

2016年5月23日、厚生労働省が、ジカウイルス感染症患者の発生を発表。
       
新たな感染症患者は、神奈川県内の20代女性。
この女性は、ブラジル以外の中南米の流行地域に6ヵ月程度滞在し、5月中旬に帰国。
発疹等の症状を示し、5月20日に医療機関を受診。
同日夜、神奈川県内の地方衛生研究所における検査の結果、ジカウイルス感染症の陽性が確定した。
(自治体から厚生労働省への報告は23日午前)
     
日本で、ジカウイルス感染症患者が発生したのは9例目。
中南米におけるジカウイルス感染症流行後としては6例目。
(いずれも輸入症例)
なお、5月18日現在、中南米地域を中心に48の国・地域がジカウイルス感染症発生地域となっており、これらの国・地域には感染症危険情報・レベル1(十分注意してください)が発表されている。
    
<日本国内における感染者(中南米で流行後>
・2016年2月25日…神奈川県内の10代男性(ブラジルに渡航歴)
・2016年3月11日…愛知県内の30代女性(ブラジルに渡航歴)
・2016年3月22日…神奈川県内の女性(ブラジルに渡航歴)
・2016年3月24日…愛知県内の40代女性(中南米に渡航歴)
・2016年4月22日…千葉県内の10代男性(太平洋諸島に渡航歴)
・2016年5月20日…神奈川県内の20代女性(中南米に渡航歴)
*いずれも輸入症例。
*流行前を加えると日本での感染確認は9例(いずれも輸入症例)。
*日付は、国立感染症研究所や公的検査機関での検査の結果、感染が確定した日。
      
<ジカウイルス感染症の発生状況>
■中南米地域の発生国
バルバドス、ベリーズ、ボリビア、ブラジル、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、ドミニカ、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、グレナダ、ガイアナ、ハイチ、ホンジュラス、ジャマイカ、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、セントビンセントグレナディーン諸島、セントルシア、スリナム、トリニダード・トバゴ、ベネズエラ、ペルー、フランス領(グアドループ、サン・マルタン、ギアナ、マルティニーク、サン・バルテルミー島)、オランダ領(アルバ、ボネール、キュラソー及びシント・マールテン)、米領(バージン諸島及びプエルトリコ)
■アジア・大洋州地域の発生国
米領サモア、マーシャル、サモア、トンガ、パプアニューギニア、タイ、フランス領(ニューカレドニア)、フィジー、ミクロネシア(コスラエ州)、フィリピン、ベトナム
■アフリカ地域の発生国
カーボヴェルデ
       
<ジカウイルス感染症と小頭症等との関連>
2016年4月13日、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は、ジカウイルスが小頭症及びその他の重症な胎児の脳障害を引き起こす原因であると発表。
ブラジル保健省によれば、2015年11月から2016年4月第1週までに、同国内で6906例の小頭症の疑い例が報告された。
このうち、検査結果が確定した2860件のうち1046件について、先天性小頭症及び(又は)中枢神経異常と判定されています。
引き続き、妊婦及び妊娠予定の方の流行国・地域への渡航及び滞在は可能な限りお控えください。
       
<ジカウイルス感染症>
1、感染経路
ジカウイルスによる感染症で、ウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。
極めて稀なケースとして、献血や性交渉による感染の可能性も指摘されています。
       
2、症状
ジカウイルスを保有した蚊に刺されて感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は2~12日。
主に2~7日で、およそ2割の人に発症すると言われています。
発症すると軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、疲労感、倦怠感などを呈しますが、一般的にデング熱やチクングニア熱より軽症と言われています。
       
3、治療方法
現在、ジカウイルス感染症には有効なワクチンや特異的な治療法はなく、対症療法が行われます。
ジカウイルス感染症が流行している地域で蚊に刺された後に発熱が続く、または発疹が出るなど、ジカウイルス感染症を疑う症状が現れた場合には、医療機関への受診をお勧めします。
         
4、予防
ジカウイルス感染症には有効なワクチンもなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。
これらの感染症の発生地域に旅行を予定されている方、1月~5月にかけて蚊の繁殖が最盛期を迎えますので、感染の予防に努めてください。
・外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくし、肌の露出した部分や衣服に昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を2~3時間おきに塗布する。昆虫忌避剤は、ディートやピカリジン等の有効成分のうちの1つを含むものを、商品毎の用法・用量で適切に使用する。一般的に、有効成分の濃度が高いほど、蚊の吸血に対する効果が長く持続すると言われている。
・室内では、電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を効果的に使用する。
・規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとることで抵抗力をつける。
・軽度の発熱や頭痛、関節痛や結膜炎、発疹等が現れた場合には、ジカウイルス感染症を疑って、直ちに専門医師の診断を受ける。
・蚊の繁殖を防ぐために、タイヤ、バケツ、おもちゃ、ペットの餌皿等を屋外放置しない、植木の水受け等には砂を入れるなどの対策をとる。

ニュースINDEX.2016年5月⑤
★社会・国内
『感染症』

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