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7月の金融政策会合、緩和を維持

2017年7月20日、日本銀行の金融政策決定会合において、昨年9月の会合で決まった「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の維持が決定した。
       
長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)と資産買入れ方針の維持。

長短金利操作は、日本銀行当座預金のうち政策金利残高にマイナス金利を適用することと、10年物国債金利が0%程度で推移するよう国債の買入れを行うこと(注1)。
        
資産買入れは、 ETFおよびJ-REITについて、保有残高がそれぞれ年間約6兆円、年間約900億円に相当するペースで増加するよう行うことと、CP等、社債等について、それぞれ約2.2兆円、3.2兆円の残高を維持すること(注2)。
        
なお、景気については、「緩やかに拡大している」と判断した。
前回(6月)の会合の「緩やかな拡大に転じつつある」から、さらに改善した形となった。
      
また、経済の先行きについては、「緩やかな拡大を続ける」と予想した(前回と同じ)。
         
*注1…賛成7票、反対2票での決定。佐藤委員は期間10年までの金利をマイナス圏で固定することにつながりかねず、金融仲介機能に悪影響を及ぼすとして反対した。木内委員は、国債市場や金融仲介機能の安定の観点から、短期政策金利は+0.1%が妥当であり、長期金利操作目標は国債買入れペースの一段の拡大を強いられるリスクがあるとして反対した。
        
*注2…賛成7票、反対2票での決定。佐藤委員と木内委員が反対。佐藤委員は、約6兆円のETF買入れは、市場の価格形成や日本銀行の財務健全性に及ぼす悪影響などを踏まえると過大であるとして反対した。木内委員は長期国債保有残高が年間約45兆円、ETFが約1兆円に相当するペースで増加する買入れを提案したが、反対多数で否決された。

*ETF(Exchange Traded Fund)…証券取引所で取引される投資信託。
*J-REIT…不動産投資信託。

【長短金利操作付き量的・質的金融緩和】
2016年9月21日の日銀・金融政策決定会合で決定した金融政策。
消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率が、安定的に2%を超えるまで金融緩和を継続することにした。
 
具体的には、
・日本銀行当座預金のうち政策金利残高に、-0.1%のマイナス金利を適用。
       
・10年物国債金利が概ね現状程度(0%程度)で推移するよう、長期国債の買入れを行う。
         
・国債以外の資産買入れは、ETFおよびJ-REITについて、保有残高がそれぞれ年間約6兆円、年間約900億円に相当するペースで増加するよう行う。CP等、社債等について、それぞれ約2.2兆円、3.2兆円の残高を維持する。
      
<マイナス金利適用>
・金融機関が保有する日本銀行当座預金に、-0.1%のマイナス金利を適用する。
・具体的には、日本銀行当座預金を3つの階層の分割し、それぞれの階層に応じてプラス金利、ゼロ金利、マイナス金利を適用。
■基礎残高…+0.1%を適用。
・各金融機関が積み上げた既往の残高。
         
■マクロ加算残高…0%を適用。
・所要準備額に相当する残高。
・金融機関が、貸出支援基金および被災地金融機関支援オペにより資金供給を受けている場合には、その残高に対応する金額。
・日本銀行当座預金残高がマクロ的に増加することを勘案して、適宜のタイミングで、マクロ加算額の基礎残高に掛目を掛けて算出を加算していく。
       
■政策金利残高…-0.1%を適用。
・当座預金残高のうち、基礎残高とマクロ加算残高が適用されない残高に適用。
       
<長期国債買入れ>
・10年物国債金利が概ね0%で推移するよう、長期国債の買入れを行う。
      
なお、買入れ額については、保有残高の増加額が、年間約80兆円を目途とする。
        
<資産買入れ>
・ETF保有残高が、年間約6兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。
         
・J-REIT保有残高が、年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。
    
・CP等、社債等について、それぞれ約2.2兆円、約3.2兆円の残高を維持する。

ニュースINDEX.2017年7月②
★政治・国内
『日本銀行』


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