太閤街道殺人事件
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翌朝、有馬温泉へ向かった。

有馬温泉は太閤秀吉のお気に入りの場所であった。湯治に訪れただけでなく、川の改修などの整備も行なった。その功績により、現在、太閤の名が付いた「通り」や「橋」が存在し、銅像まで建っている。
 
有馬口で高速道路から一般道路に出たあと、少し走ると到着した。ツアーが利用したホテルを訪れ、フロント係から話を聞いたが、新しい事実は無かった。

(紅葉谷公園へ行こう)
      
現場はすぐにわかった。公園の中に「立入禁止・兵庫県警」と書かれたテープが張られていた。

(人気がない場所だな)
   
もっとも紅葉が見頃を迎えたときは、話が変わる。ツアーが訪れたのは10月下旬で、少し早い。見頃は11月上旬に始まり、11月中旬にピークを迎えることが多い。
   
「街自体が紅葉名所」であるが、特に「瑞宝寺公園」が有名である。紅葉の発色がすばらしい。
     
元々、ここには瑞宝寺という寺院があり、太閤秀吉も度々ここを訪れ、茶会を催すとともに紅葉狩りを行なった。明治時代に廃寺となったが、山門と秀吉が愛用した「石の碁盤」は残されている。
 
現在も2千5百本のカエデが赤く色づき、毎年11月初めに太閤時代を偲び、有馬大茶会が開催されている。
     
風景
瑞宝寺公園:©神戸観光局
  
(この駐車場か)
   
一樹がカレンと出会した駐車場は、紅葉谷公園の近くにあった。
   
(田々和が殺害された時間帯に、カレンは犯行現場近くにいた)
   
(どういう関係?)

(2人で一樹をハメた。つまり、共犯者である。カレンにとって田々和は、クラブの先輩・柿元順子の男)

考えがまとまらなかった。
   
(京都へ行こう)

 
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風景
有馬温泉・太閤橋
風景
瑞宝寺公園:©神戸観光局
風景
瑞宝寺公園:©神戸観光局
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