太閤街道殺人事件
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翌朝、シャワーだけを浴び、ホテルの部屋を出た。ロビーに入ると、若い女性がソファから立ち上がった。

(小林優香!)

太閤街道ツアーの添乗員である。
      
「昨日はどうも」
   
そう声を掛けた。

「岩田さんと話が出来て、モヤモヤが晴れました」
   
昨日のオゾオゾした感じは消えていた。
      
「それは良かった。事件を気にすることはありません。違う世界の話です」

「お礼とは何ですが、少しお手伝いを」
   
そう申し出た。ホテルのティールームに移動して、話を聞いた。
     
彼女は旅行専門学校を卒業後、添乗員の派遣会社に入った。給料は安いが両親と暮らしているため、なんとか生活ができるとのこと。
     
そんな中、あの殺害事件が起こった。ショックを受け、仕事を休んでいた。
     
昨日、話を聞けたことで、気持ちの整理が着いた。また、ツアーの行程に沿って調査していると気付いた。早朝、名古屋を発ち、ホテルに。
      
結局、今日一日、岩田の手伝いをすることになった。
  
小林優香を助手席に乗せた車は、国道21号線を西へ走った。

「昨晩、思い出しました。醍醐寺を見学したあと、バスの後ろをバイクが。色はダークブルー。250ccか、400ccクラスのバイクだったと思います」
   
「尾行していた?」

「はい。有馬に向かう中国自動車道でも見かけました」

「どういう人物か、わかりますか?」
   
「フルフェースのヘルメットをしていたので、はっきりとは…。服装から若い男性だと思います。細身の」
   
割りと自信ありげに応えた。

 
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風景
長良川:©フォトック
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岐阜駅前:©フォトック
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岐阜駅前の織田信長像:©フォトック
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