京都駅で小林優香を見送ったあと、ツアー2日目の宿泊地である雄琴温泉(おごとおんせん)へ向かった。
びわ湖の湖畔に位置する雄琴温泉は、平安時代に最澄が開いた湯と云われ、約1200年前の歴史を持つ。住所は滋賀県大津市。
ホテル到着後、関係者から話を聞いたが、何も得ることは無かった。ただ、兵庫県警が丁寧に捜査していることはわかった。ホテルの関係者を始め、出入りの業者も話を聞かれていた。
部屋の空きがあったので、宿泊することになった。久しぶりのデートに疲れてしまったのか、すぐに熟睡した。
翌朝、雄琴温泉のホテルを出発。国道と高速を乗り継ぎ、南下し、南山城村に入った。
4日前、柿元順子が「山を越えたら三重県だが、間違いなく京都の宇治茶」をお土産に持ってきた。
昨日、小林優香が「710ー3」と書かれた紙を持っていた。
2つの話から「1つの仮説」を立てた。
それを確かめるため、宇治茶の名産地「南山城村」を訪ねた。京都府の中で唯一、三重県と隣接している市町村である。
地図で確認しながら山の中を走り回った。しばらく走ると、広い道に出た。
(ここか…)
道の脇には無人販売所があった。一袋千円と書かれた紙の上に「普通のビニール袋に入った」お茶が置かれていた。近くの茶畑で、野球帽を被ったおじいさんが草取りをしていた。
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