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入院中の中学生、死亡(焼肉食中毒事件)

2011年10月23日、富山県は、食中毒事件で入院中の10代男性(中学生)が死亡したと発表。
         
中学生は、2011年4月22日、家族4人で焼肉店「焼肉酒家えびす」砺波店を利用。
2日後の4月24日に、嘔吐、発熱を発症し、翌25日、医療機関を受診。
      
4月27日から病院に入院しましたが、4月28日、溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症。
4月29日、意識障害が出現、人工呼吸器装着。
以後、そのままの状態が続き、10月23日に死亡しました。

10月23日現在、富山県内3店舗(砺波店、高岡駅南店、富山山室店)を利用したことによる食中毒患者は、175名。
うち死者は4名、HUS発症者は29名となっています。
        
なお、富山県以外にも同焼肉店(系列を含む)を利用したことによる食中毒患者は、福井県で4名(死者1名を含む)、横浜市で1名、石川県で1名。

【富山・焼肉店食中毒事件】
2011年4月17日から24日にかけて、砺波市及び高岡市の焼肉店(同じ系列)で食事をした利用者から、多数の食中毒患者が発生した事件。
     
2011年10月23日現在、食中毒患者は175名。うち死者は4名、溶血性尿毒症症候群(HUS)発症者は29名。
     
患者からは、腸管出血性大腸菌O157、及び腸管出血性大腸菌O111が検出されました。
原因食材は、ユッケ等(生肉)。
     
なお、神奈川県、福井県、石川県の系列の店でも、食中毒患者が出ています。

2011年4月29日、腸管出血性大腸菌感染症(O111を確認)で、10歳未満男児が死亡。
2011年5月4日、溶血性尿毒症症候群を発症し、40代女性が死亡。
     
2011年5月5日、溶血性尿毒症症候群を発症し、70代女性が死亡。
2011年10月23日、溶血性尿毒症症候群を発症し、10代男性が死亡。

■腸管出血性大腸菌
ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきん。
ベロ毒素と呼ばれている毒素を産生する大腸菌。
    
この菌の代表的な血清型には、O157が存在します。
同店の利用者から、腸管出血性大腸菌O157、及び腸管出血性大腸菌O111が検出されています。

■溶血性尿毒症症候群
腸管出血性大腸菌が産生する毒素等により、腎臓などの臓器に障害が起きる疾患。
  
急性腎不全、溶血性貧血、血小板減少などを生じる疾患です。
症状が進行すれば、脳症により、ケイレンや意識障害が発症します。
      
腸管出血性大腸菌による食中毒は、喫食日から約2~7日後に、下痢、発熱等の症状が生じます。
溶血性尿毒症症候群は、その後(下痢や発熱の出現後)4~10日程度経過したのちに、発症することが多い。
    
発症率は、腸管出血性大腸菌による食中毒患者の1~10%程度です。

■ユッケ
生肉を用いた韓国式のタルタルステーキ様の料理。
     
生の牛肉(主にランプなどのモモ肉)を細切りにし、ゴマやネギ、松の実などの薬味と、醤油やごま油、砂糖、コチュジャン、ナシの果汁などの調味料で和え、中央に卵黄を乗せて供することが多い。

■食中毒予防のポイント
・肉は、十分加熱(75℃、1分間以上)する。
・ユッケや生レバーなど肉を、生で食べることは避ける。
・生肉を処理した包丁やまな板は、十分洗浄、消毒して使う。
・焼肉の時には、焼く箸と食べる箸を使い分け、生肉に触れた箸で食事をしないようにする。
・冷蔵庫内では、生肉や生肉のドリップが他の食品に触れないよう容器に入れて保存する。
 
*参考…厚労省:食中毒、腸管出血性大腸菌、溶血性尿毒症症候群