政府と日銀が市場介入
2011年8月4日、政府と日銀が円高を是正するため、市場介入を行なった。
(円売りドル買い)
結果、4日の為替市場で、2円以上値下がり、一時、1ドル80円台に。
しかし、その後、再び円高に。
(5日午後9時時点で、1ドル78円後半)
今回の円高の直接的な原因は、アメリカの債務引き上げ問題。
これが、実質、先延ばし。
そのうえ、円高要因が取り除かれていないためと見られている。
【アメリカ連邦債務の引き上げ問題】
アメリカ連邦政府の債務の上限が、法律によって決められている。
(アメリカ連邦債務の法定上限)
現在(2011年7月26日)の法定上限は、14兆2940億ドル。
2011年5月16日に、連邦政府の債務が法定上限に達した。
法定上限を引き上げることが必要となったが、政府と議会が対立。
(債務の削減方法をめぐって対立)
(政府は増税を求め、下院で多数を持つ共和党は、大幅な歳出削減を求めた)
なお、5月16日以降、連邦職員の年金基金への拠出を一時的に停止し、債務不履行を回避してきた。
しかし、8月2日には債務不履行に陥ると予測されている。
(国債の利払いや償還資金が調達できなくなる)
7月31日、オバマ大統領は、債務の引き上げ問題で、与野党幹部が合意したと発表。
8月1日、下院が、国の債務の上限を引き上げる法案を可決。
8月2日、上院も法案を可決。
同日、オバマ大統領が法案に署名。
法案が成立。
<成立した法案内容>
・オバマ大統領は連邦債務上限を2兆1千億ドル引きあげることができる。
・今後10年で、2兆4170億ドルの歳出削減を行う。
【主な円高要因】
1、ヨーロッパの信用不安
ギリシャに始まった信用不安が、ユーロ圏全体に波及。
ユーロ安から円高に。
2、アメリカ経済・財務が良くない
アメリカの貿易赤字額が高水準。
(原油価格の高騰などの原因で、5月の貿易赤字は502億ドル)
連邦政府の債務が巨額。
失業率が高い。
(6月の失業率は9.2%)
3、日本当局の怠慢
機能不全に陥っている菅政権と、ノロマな亀の日銀。
円高が進んでも有効な対策が打てない。
4、他国の思惑
中国などが、リスク分散に動くと見られていること(ドル離れ)。
(2011年6月末で中国の外貨準備高は3兆1975億ドル。アメリカ国債とドル資産が中心)
5、マネーゲーム
「当分、ヨーロッパの信用不安が治まらない」
「アメリカ経済の立て直しに、時間が掛かる」
「日本当局は、有効な対策がとれない」
そう考えた投資家が、さらに円高が進むと読み、円を買っているため。
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