円高進む、再び1ユーロ99円台
2012年5月24日、東京外国為替市場でユーロに対して、円高が進み、1ユーロ99円台に。
(5月24日15時時点、1ユーロ99円台での取り引き)
原因は、ヨーロッパの信用不安が続いていること。
特に、6月に再総選挙となったギリシャについて、今後、ユーロを離脱するのでは、と予想する専門家も多い。
【主な円高要因】
1、ヨーロッパの信用不安
ギリシャに始まった信用不安が、ユーロ圏全体に波及。
ユーロ安から円高に。
2、アメリカ経済・財務が良くない
アメリカの貿易赤字額が高水準。
(原油価格の高騰などの原因で、毎月の貿易赤字が500億ドル前後)
連邦政府の債務が巨額に。
3、日本当局の怠慢
機能不全に陥っている民主党政権と、ノロマな亀の日銀。
円高が進んでも有効な対策が打てない。
4、他国の思惑
中国などが、リスク分散に動くと見られていること(ドル離れ)。
(2011年6月末で中国の外貨準備高は3兆1975億ドル。アメリカ国債とドル資産が中心)
5、マネーゲーム
「当分、ヨーロッパの信用不安が治まらない」
「アメリカ経済の立て直しに、時間が掛かる」
「日本当局は、有効な対策がとれない」
そう考えた投資家が、さらに円高が進むと読み、円を買っているため。
<日銀の金融緩和策>
2012年2月14日、金融政策決定会合で、
・今年の物価上昇率を1%に設定。
・市場に供給する基金の規模を、これまでより10兆円増やす。
が決定。
(長期国債の買い入れ等の金額を、55兆円から65兆円に増やした)
(事実上、日銀による国債の買い入れで、日本の通貨量が10兆円増加する)
その後、この10兆円の通貨量増加は、為替(ドル円)を約3.5円、円安に。
(1ドル77円後半から、1ドル81円前半に)
2012年3月の金融政策決定会合では、さらなる金融緩和策が見送られた。
(宮尾委員が、市場に供給する基金を、さらに5兆円増やすことを提案したが、他の委員は反対、否決された)
(市場からは、1ドル90円~100円の為替レートが妥当との意見が多数)
(もっとも有効な円高対策は、通貨量を増加させること)
2012年4月初めの金融政策決定会合でも、さらなる金融緩和策は見送られた。
2012年4月27日、金融政策決定会合で、市場に供給する基金の規模を5兆円増やすことが決定された。
(市場に供給する基金を65兆円から70兆円に増やした)
(ただし、基金の70兆円への増額は 2013年6月末を目途)
(本年末時点における基金の規模は、従来通り65兆円程度とする)
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