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4号機プール、「燃料の取り出し」始まる

2013年11月18日、東京電力が、福島第一原発4号機の使用済燃料プールから「燃料の取り出し」を開始した。

キャスクという専用の容器に燃料棒を入れ、大型クレーンでこのキャスクを水中から引き上げ、原発内に設けられた共有プールへ移す作業。
(福島第一原発の廃止措置等に向けた中長期ロードマップの最初の工程「今後10年以内に東京電力の福島第一原発1~4号機から核燃料を取り出す」が始まった)

【福島第一原発・使用済燃料プール内の燃料棒】
1号機…392体(使用済燃料292体、新燃料100体)
2号機…615体(使用済燃料587体、新燃料28体)
3号機…566体(使用済燃料514体、新燃料52体)
4号機…1533体(使用済燃料1331体、新燃料202体)
(計3108体)
*使用済燃料プールは、各建屋の最上階(5階)にある。

【東京電力福島第1原発事故】
東京電力福島第1原発の事故は、INESの評価で『レベル7』
(一番悪い評価。深刻な事故)
1、2、3号機ともに、「メルトダウン」している。

放射性物質放出量は、
・保安院の計算によると、85万テラベクレル。
(2011年6月6日発表)
・安全委員会の計算によると、63万テラベクレル。
(2011年4月12日発表。事故発生から1ヵ月間の累積)
・東京電力の計算によると、約90万テラベクレル。
(2012年5月24日発表)

<現況>
・原子炉には、放出された量の100倍から300倍の放射性物質が残っている。
(かなりの量が、鋼鉄の原子炉の底を破り、格納容器に落下している模様。1、2、3号機とも。東京電力発表)
・今も、放射性物質の流出(放射能漏れ)が続いている。
・多量の放射能汚染水が発生している。
・建屋内や施設内では、放射能濃度が高い場所が多数。
        
<今後の見通し>
2011年12月21日、政府・東京電力中長期対策会議が開催され、「福島第一原発の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」が決定。

1、今後10年以内に、東京電力の福島第一原発1~4号機から、核燃料を取り出す。
2、20年~25年で、建屋から燃料デブリを取り出す。
3、40年以内に、福島第一原発を廃炉にする。
      
【福島第一原発事故経緯】
①2011年3月11日の地震(東日本大震災)により、福島第1原発は緊急停止。
*福島第一原発における震度は6強、津波の高さは14~15m。

②地震と津波により、「炉心を冷やす」ということができなくなった。
(地震で受電鉄塔の倒壊し、外部電源が途絶えたのが最大の原因。保安院4/27)
(さらにバックアップの非常用電源が働かず、炉心に冷却水を注入できなくなった)

③燃料棒が冷却水から露出、損傷(炉心溶融)。
(のちに、原子炉圧力容器、格納容器の破損に)

④また、燃料棒を冷やすことが出来ないため、原子炉圧力容器内の圧力が上昇。
(容器内の水が高温で蒸発し、気圧を上げた)

⑤原子炉圧力容器内の圧力を下げるため、弁を開いて気体(微量の放射性物質を含む)を外へ逃がした。
(ベント。1号機3/12、2号機3/13、3号機3/13)

⑥ベントにより、水素ガスが外へ漏れ出した。
その漏れ出した水素が、原子炉建屋内に溜まり、水素爆発(建屋上部を吹き飛ばした)を起こした。
(水素爆発、1号機3/12、3号機3/14)
*4号機の水素爆発は、3号機で漏れ出した水素が4号機建屋に溜まったため。
(東京電力の見解)


⑦原子炉圧力容器の核燃料棒(1、2、3号機)は、すべて溶融している。
(核燃料損傷割合は、1、2、3号機とも100%。フルメルト)
*1号機のメルトダウン(フルメルト)が確認された。(東京電力5/12)
*2号機、3号機もメルトダウン。(東京電力5/24)
*1、2、3号機ともに、3月下旬からメルトダウンとの認識。(原子力安全委員会5/17)


⑧1、2、3号機の原子炉圧力容器、格納容器ともに損傷している。
(2、3号機、原子力安全委員会3/29。1号機、東京電力5/12)
      
【福島第一原発事故原因】
2012年7月5日、国会の原発事故調査委員会が、福島第一原発事故の調査報告書をまとめ、公表。
(東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法により、国会に設置された委員会)

調査委員会は、
『福島第一原発事故は、自然災害では無く、あきらかな人災』
と結論付けた。

1、2006年時点で、福島第一原発に敷地高さを超える津波が来た場合、全電源喪失に至ること。
海水ポンプが機能喪失し、炉心損傷に至る危険があることは、保安院も東電も知っていた。
保安院は、東電が対策を先延ばししていることも知っていたが、明確な指示を行わなかった。

事故の根源的原因は、何回も対策を行う機会があったにもかかわらず、歴代の規制当局、及び東電経営陣の意図的な先送り、不作為によって、安全対策が取られないまま、「3.11」 を迎えたことで発生したもの。
電力事業の監督官庁でもある経産省、経産省の一部である保安院と、東電との間の癒着が一番大きな問題である。

2、原発事故が発生した際、東電経営陣には、危機管理能力がまったく無かったことも、非常に大きな問題。
保安院も、官邸も、本来の仕事を行わなかった。
(発災直後の最も重要な時間帯に、緊急事態宣言を出すべきであった)

3、官邸は現地対策本部を通じて、事業者とコンタクトをすべきとされていたが、東電の本店、現場に直接的な指示し、現場の指揮命令系統を混乱させた。
なお、東電は、現場からの全面退避を一切考えていなかったという結論も。
(官邸は、東電が、福島第一原発から全面撤退しようとしていたと発表していた)

ニュースINDEX.2013年11月②
★社会・国内
『福島第1原発』

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