ロックアーン・サミット、閉幕
2013年6月18日(現地時間)、ロックアーン(北アイルランド)で行われていた、サミット(主要国首脳会議)が閉幕した。
今回のサミットでは、3T(貿易、税、透明性)を主要なテーマとし、世界経済や外交政策など幅広い問題について、話し合われた。
外務省によると、世界経済については、回復が弱く、成長と雇用を強化する必要があることで一致。
シリア問題については、人道支援の必要性や、解決のための国際会議の必要性について一致した。
また、テロ対策については、テロ対処国の治安能力の強化など、国際的連携を強めることで一致した。
今回のサミットの主要なテーマである3T(貿易,税,透明性)については、「G8ロック・アーン宣言」として、まとめられた。
なお、次回のG8サミットは、2014年6月4~5日、ロシアのソチ近郊で開催される。
【ロック・アーン宣言(仮訳)】
(2013年6月18日。外務省による仮訳)
民間企業の活動は、世界中の人々のために成長をもたらし、貧困を削減し、雇用と繁栄を創出する。
政府は、適正なルール作り、良きガバナンスの促進に特別な責任を有する。
公平な租税、透明性の向上及び開かれた貿易は、このための重要な原動力である。
我々は、以下を行うことにより、真に違いをもたらす。
1、世界中の税務当局は、脱税の問題と闘うため、自動的に情報を共有すべきである。
2、国家は、法人が租税を回避するために国境を越えて利益を移転することを許容するルールを変更し、また、多国籍企業は、どの租税をどこで納めるのかについて、税務当局に報告すべきである。
3、法人は、真の所有者を把握し、税務当局及び法執行当局は、この情報を容易に得ることができるべきである。
4、途上国は、自らに帰属する租税を徴収するために必要な情報と能力を持つべきであり、他国はこれらの国々を支援する責務がある。
5、採取企業は、すべての政府に支払を報告すべきであり、政府は、これら企業からの収入を公表すべきである。
6、鉱物は、合法的に得られるべきであり、紛争地域から奪われるべきではない。
7、土地の取引は、現地社会の所有権を尊重しつつ、透明であるべきである。
8、政府は、保護主義を是正し、世界中の雇用と成長を促進する新たな貿易協定に合意すべきである。
9、政府は、国境における無用の官僚主義を排し、途上国間の物品の移動をより容易で迅速にすべきである。
10、政府は、市民が政府の説明を求めることができるよう、読みやすく再利用しやすい方法で、法律、予算、支出、国の統計、選挙及び政府の契約についての情報を公表すべきである。
<ロックアーン>
イギリス北アイルランド・ファーマナ県にあるリゾート地。
サミットの会場となるのは、アーン湖のほとりにあるリゾートホテル。
【サミット】
主要国首脳会議。
8ヵ国の首脳が集まることから、『G8』、『主要8ヵ国首脳会議』とも。
主要8ヵ国は、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、ロシア、カナダ。
1975年に、フランス大統領ヴァレリー・ジスカール・デスタンの呼びかけにより始まった。
以降、毎年行われ、開催地は主要8ヵ国による持ち回りとなっている。
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