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金融緩和により、為替はどうなるのか?

2013年5月、外国為替市場で円安が進み、1ドル100円台に入った。

この円安が進んだ大きな要因は、
1、日銀による金融緩和策
2、アメリカの景気の回復
による。

この為替(ドルー円レート)が、今後、どうなるのか?を考察した。

<なぜ、猛烈な円高となったのか?>
まず、昨年までの猛烈な円高は、アメリカが2008年にQE(量的緩和政策)は始めたことから。
アメリカの景気回復のため、FRBが市場の国債や債券を購入、市場の資金量を増大させた。
俗に言う「ドルを刷った」わけである。

そして、ドルの通貨量が増大するため、ドルの価値が下がり、円高が進んだ。
このとき、ドルと円の通貨量バランスをとるため、日銀も日本国債を買い入れ、円の通貨量を増大させる必要があった。
しかし、アメリカがQEを始めたとき、日銀がほとんど何もしなかった。
(わずかに金融緩和を行ったが、アメリカの金融緩和と比べ、微々たるものであった)

結果、2012年の秋には、1ドル77円台となる、猛烈な円高に。

<円高から円安へ>
2012年12月、総選挙が行われ、民主党政権から金融緩和を公約とする自民党政権に。
さらに、2013年3月、日銀総裁、副総裁が交代。
そして、2013年4月4日の日本銀行・金融政策決定会合で、「量的・質的金融緩和」を行うことが決定した。
(年間約60~70兆円に相当するペースで、マネタリーベースを増加させる)
(毎月の長期国債のグロスの買入れ額は、約7.5兆円)
  
これにより、円安の流れとなり、2013年5月、1ドル100円台となった。

<1ドル100~110円>
日本は今後2年間、この金融緩和を続ければ、アメリカがQE1からQE3までで増加させたドルの半分程度を、通貨供給することになる。

アメリカと日本の経済力を2対1とすれば、アメリカがQEを始める前の通貨供給バランスに戻る。
QEを始める前の為替レートは(2008年前半)は、1ドル100~110円。
通貨の供給バランスだけだと、この状態に戻ることになる。

<不確定要素の多数>
もちろん、為替は、供給バランスだけで決定されるわけでない。
それぞれの国の景気、政策、国際収支、財政状況、さらに思惑など、複数の要因が重なり合って、決まっていくものであることはいうまでもない。

【QE3(アメリカの量的緩和政策)】
「Quantitative Easing program 3」を略したもの。
日本語に訳すと、「3回目の量的緩和政策」
(QEは過去2回行われているため、今回が3回目となる)

FRBが通貨量を増加させ、景気を刺激する政策。
具体的は、FRBが市場の国債や債券を購入することで、市場の資金量を増大させる。

QEは、過去2回行われており、
1回目のQE(QE1)は、2008年11月~2010年6月まで(8ヵ月)行われ、1兆7250億ドルの国債、MBSなどを購入。
2回目のQE(QE2)は、2010年11月~2011年6月まで(8ヵ月)行われ、6000億ドルの国債を購入。

3回目は、2012年9月から始め、月400億ドルのMBSを購入。
2013年1月からは、さらに、長期国債も毎月450億ドル購入。
(合わせて850億ドルを、毎月、FRBが買い入れる)
(失業率が下がるまで続けられる。実際、どこまでやるかは未定)
(MBS…Mortgage-backed securities、モーゲージ担保証券、不動産担保証券、住宅ローン担保証券などと訳されている)

なお、この量的緩和政策が行われると、ドルの通貨量が増大するため、ドルの価値が下がり円高となる。
(現在の猛烈な円高は、アメリカがQEを始めたときに、日銀がほとんど何もしなかったのが原因)
(通貨量のバランスをとるため、日銀も日本国債を買い入れ、円の通貨量を増大させる必要があった)

          
2012年12月12日、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が、ゼロ金利政策は、「失業率が6.5%を超えている」、「インフレ見通しが2.5%を超えていない」ことを条件にすると発表。
(ゼロ金利政策は、これまで「2015年の半ばまで」と公表)
(2015年までに失業率が6.5%以下になったり、インフレ見通しが2.5%を超える状況になったら、その時点で、ゼロ金利政策は止める)


【日銀の金融緩和策・2013年4月4日】
消費者物価の前年比上昇率2%の「物価安定の目標」を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現するため、マネタリーベースおよび長期国債・ETFの保有額を2年間で2倍に拡大する。

この結果、マネタリーベース(2012年末実績138兆円)は、2013年末200兆円、2014年末270兆円となる見込み。

(マネタリーベースが、年間約60~70兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う)
(長期国債の保有残高が、年間約50兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行う)
(買入れの平均残存期間を、現状の3年弱から、7年程度に延長する)
(毎月の長期国債のグロスの買入れ額は、7.5兆円程度となる見込み)


また、「量的・質的金融緩和」に伴い、
・資産買入等の基金の廃止する
・「金融調節上の必要から行う国債買入れ」は、既存の残高を含め、長期国債の買入れに吸収する
・銀行券ルールの一時適用停止
なども決定した。

ニュースINDEX.2013年6月①
★経済・国内
『為替』

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