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IMFC、回復しているが想定以下

2014年10月11日(現地時間)、ワシントン(アメリカ)で、第30回IMFC(国際通貨金融委員会)が開催された。

日本からは麻生太郎・財務大臣が出席し、世界経済、金融政策、IMF改革について議論が行なわれ、終了後「コミュニケ」が発表された。

今回のコミュニケでは、半年前より経済は回復しているが、国によるばらつきがあり、想定したより回復は弱いとした。

*コミュニケ…会議の経過、内容を公表する声明書。
*半年前(4月のIMFC)のコミュニケは、「世界経済の成長は未だ脆弱で、リスクが引き続き存在している」。

【第30回IMFC・コミュニケ(概要)】
(ミュニケのポイントをまとめたものです)
<総論>
・世界経済は回復を続けているが、回復にはばらつきがあり、想定よりも弱い。

<世界経済について>
・ばらつきのある回復は続いている。
・多くの国が、失業率が高く、低成長または成長の減速という可能性に直面している。
・いくつかの先進国では経済活動の回復が進んでおり、特にアメリカ、イギリスにおいて顕著である。
・日本の回復は緩やかで、ユーロ圏の回復は一時的である。

<持続的な成長の確保につて>
・全ての国において重要な構造改革を断固として実施することとあわせて、経済面の余地がある国では緩和的なマクロ経済政策を継続すべきである。
・労働需要及び供給の強化、生産的なセクターへの資金フローの改善、民間投資を支えるビジネス環境の強化、といった施策にとりわけ重点を置くべきである。

<財政政策について>
・財政戦略は、債務対GDP比を持続可能な道筋に乗せつつ、成長と雇用創出を支えるため、機動的に実施されるべきである。
・各国は、成長への貢献を高めるため、政府の歳入・歳出の構成の変更について検討すべきである。

<金融政策について>
・先進国における金融政策は、経済回復を支えており、インフレ率が目標を下回る場合は、適時に対処すべきである。
・新興国は、政策余地が限定的な場合はこれを再構築すべきである。
マクロ経済政策は健全である必要があり、その観点から、為替レートはファンダメンタルズの変化を反映し、対外的な調整が促進されるべきである。

<政策協調と一貫性について>
・赤字国・黒字国双方による継続的な行動を求める。

<IMFの融資とサーベイランス>
・エボラ出血熱による被害を受けているギニア、リベリア、シエラレオネに対するIMFの支援を歓迎する。
・新しい国際ソブリン債の発行時に、その使用を積極的に促進するよう、加盟国、民間セクターに求める。
(ソブリン債…各国政府や政府機関などが発行・保証する債券の総称)

<ガバナンス>
・2010年に合意されたIMFクォータ(各国の出資割当額)・ガバナンス改革や、クォータ・一般見直しの進捗が遅れていることに深く失望している。

<次回会合>
・次回IMFC会合は、2015年4月17日、18日、ワシントンD.C.で開催する。

【IMF国際通貨金融委員会(IMFC)】
国際通貨及び金融システムに関する問題を検討する委員会。
メンバーは、IMF理事選出国から1名ずつ、計24名の委員(大臣クラス又は代理)。
春・秋の年2回開催。

ニュースINDEX.2014年10月③
★政治・国際
『IMFC』

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