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G7会合、団結を再確認

2014年3月24日(現地時間)、オランダ・ハーグで、G7首脳会合が開催された。
(日本からは安倍総理が出席)

会合ではウクライナ問題が議論され、終了後、「ハーグ宣言」を発出した。
*G7…主要7ヵ国。日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ。

<ニュースのポイント>
ロシアに対する新たな制裁などは無く、G7の団結を再確認する会合となった。
ただし、今後のロシアとの付き合いについて、「G7の枠組み」にしばられることに。
(日本独自の交渉がやりにくい状況になった)

【G7首脳会合(概要)】
(外務省発表のものを、Qnewニュースがまとめたもの)

・会合では、ウクライナ問題について、議論が行われた。
・ウクライナ支援について、G7が一致団結していくことを確認。
・日本は、ウクライナに対し、最大1500億円の支援を表明。
・力を背景とする現状変更は認められないこと、同時にロシアとの対話の必要性が確認された。
・今年6月開催予定の「G8ソチ・サミット」について、現時点では参加しないことに。代わりに、ブリュッセルでG7首脳会合を開催することが決まった。

【ハーグ宣言・概略(2014年3月24日)】
(Qnewニュースがわかりやすくまとめたもの)

1、G7首脳、欧州理事会議長、欧州委員会委員長は、ウクライナの主権と領土の一体性を再確認するため、会合を行なった。

2、国際法は、強制や力によって、他国の一部又は全部の領土を取得することを禁じている。
G7は、ウクライナ憲法に違反して、クリミアで行われた違法な住民投票を非難する。
国際法に違反してクリミアを併合しようとする、ロシアの行動を非難する。
G7は、これらを承認しない。

3、G7は、ロシアの行動が重大な結果をもたらすことを確認した。
法の支配に対する挑戦であり、すべての国にとって、懸念となるものである。
G7は、これに対し、様々な制裁を課した。ロシアが現状をさらに悪化させる場合、G7は制裁を強化する用意がある。

4、G7は、ロシアに、国際的な責任を果たすよう求める。
G7は、ロシアに対し、外交ルートを開けている。ウクライナ政府との話し合いを開始し、国際的な調停を利用することを勧める。

5、ロシアが、欧州安全保障協力機構・特別監視団のウクライナへの派遣を認めたことは、解決への一歩である。
G7は、緊張緩和と正常化を推進するため、早期の監視団派遣を希望する。

6、G7は、ソチ・サミットには参加しない。
G7は、ロシアがその方針を変更し、議論を行える環境に戻るまで、G8への参加を停止する。
G7は、幅広い課題について議論するため、2014年6月、ブリュッセルでG7会合を開催する。
G7は、エネルギーの安定確保について議論するため、G7エネルギー関係担当大臣会合を開催することとした。

7、G7は、民主主義、政治的安定、経済的繁栄を回復しようと努めているウクライナを支持する。
G7は、ウクライナが憲法改革、公正な5月の大統領選挙、人権および少数民族の尊重を推進することについて、支持する。

8、G7は、ウクライナが国際通貨基金(IMF)のもと、財政再建を行うことについて、支持する。
また、迅速にすすめるよう要請する。
G7は、ウクライナに対し、金融、貿易、エネルギーを含む、すべての分野で支援を提供していく。

【参考・ウクライナ情勢】
ウクライナは、東にロシア、西にハンガリー、ポーランド、ルーマニアなど、北にベラルーシ、南は黒海に面する東ヨーロッパの国。
面積は60万平方キロメートル強(日本の約1.6倍)、人口は4千5百万人強(2012年)。
主な民族は、ウクライナ人(78%)とロシア人(17%)。
主な宗教は、ウクライナ正教とウクライナ・カトリック教。

1991年、ソ連邦崩壊により独立。
民主主義国家となるも内政は混乱(度重なる首相の交代、議会解散と再選挙など)。
2010年、ヤヌコーヴィチ大統領が就任すると、ティモシェンコ前首相等の野党政治家を刑事訴追。
(ライバル政治家を刑事訴追する強硬なやり方に、内外から批判が)
さらに、当初「EUへの統合」路線だったヤヌコーヴィチ大統領が、ロシアとの関係を修復し、ロシア寄りに。

2013年11月21日以降、EUとの統合を目指す国民が、首都キエフの独立広場を中心に、デモ(大規模反政府集会)を。
2014年2月18日から、キエフでデモ隊と警察が衝突、多数の死傷者がでる事態に。
(2月22日現在、死者は82名。ウクライナ保健省発表)

2014年2月21日、EU代表同席の下(EUが調停に入った)、ヤヌコーヴィチ大統領と野党3党指導者(クリチコ・ウダール党党首、ヤツェニューク・バチキフシチナ党会派長、チャフニボク・スヴォボーダ党党首)が話し合いを持ち、解決に向け合意。

2014年2月22日、抗議活動が続き、ヤヌコーヴィチ大統領が首都から脱出。
(その後、ロシアへ逃げ込む)
大統領府、同大統領の私邸を、反政府側が確保。
最高会議(国会)は、2004年憲法への回帰、ティモシェンコ元首相の解放、ヤヌコーヴィチ大統領の事実上の解任、大統領権限をトゥルチーノフ(バチキフシチナ党)最高会議新議長に移管、大統領選挙を5月25日に実施することを決めた。

2014年2月27日から28日にかけて、クリミア自治共和国政府が、クリミアにある主要施設を押さえる。
(クリミアは元々ロシアの領土で、ソ連時代にウクライナに組み入れられた。ソ連崩壊後、ウクライナに留まるも「自治共和国」に。人口の60%はロシア人。また、領内にはロシアの軍事基地もある)
2014年3月1日、ロシア上院が、ロシア系住民の保護を根拠に、ウクライナへの軍事介入を承認。

2014年3月11日、クリミア自治共和国議会が、ウクライナからの独立を宣言。
2014年3月16日、ロシアへの編入を問う住民投票が行われ、賛成多数で承認。
2014年3月17日、クリミア自治共和国議会が、ロシアへの編入を決議。

2014年3月18日、ロシアのプーチン大統領が、クリミア自治共和国をロシアに編入することを表明。
同日、両国の間で、クリミアをロシアに編入する条約が締結される。
2014年3月20日、ロシア連邦議会・下院がこの条約を批准。翌21日、上院も批准。クリミアをロシアに編入する手続きが完了。
*参考…外務省発表「ウクライナ情勢」、「ウクライナ一般情報」。

ニュースINDEX.2014年3月③
★政治・国際
『G7』

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