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ジカ熱感染、愛知県内の女性、流行後4例目

2016年3月24日、厚生労働省が、ジカウイルス感染症患者の発生を発表。
       
国立感染症研究所での検査の結果、同日、愛知県内の女性(40代)のジカウイルス感染症(陽性)が確定した。
      
この女性は、ブラジル以外の中南米の流行地域に滞在(約2週間)し、3月20日に帰国。
その後、発疹、発熱(37.9℃)、関節痛、結膜炎等の症状を示し、3月23日に医療機関を受診。
国立感染症研究所が検査を行なっていた。
     
日本で、ジカウイルス感染症患者が発生したのは7例目。
中南米におけるジカウイルス感染症流行後としては4例目。
(いずれも輸入症例)
    
<日本国内における感染者(中南米で流行後>
・2016年2月25日…神奈川県内の10代男性(ブラジルに渡航歴)
・2016年3月11日…愛知県内の30代女性(ブラジルに渡航歴)
・2016年3月22日…神奈川県内の女性(ブラジルに渡航歴)
・2016年3月24日…愛知県内の40代女性(中南米に渡航歴)
*いずれも輸入症例。
*流行前を加えると日本での感染確認は7例(いずれも輸入症例)。
*日付は、国立感染症研究所での検査の結果、感染が確定した日。
      
<ジカウイルス感染症の発生状況>
■中南米地域の発生国
・バルバドス、ボリビア、ブラジル、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ガイアナ、ハイチ、ホンジュラス、ジャマイカ、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、セントビンセントグレナディーン諸島、スリナム、トリニダード・トバゴ、ベネズエラ、フランス領(グアドループ、サン・マルタン、ギアナ、マルティニーク)、オランダ領(アルバ、ボネール、キュラソー及びシント・マールテン)、米領(バージン諸島及びプエルトリコ)
■アジア・大洋州地域の発生国
・米領サモア、マーシャル、サモア、トンガ、タイ、フランス領(ニューカレドニア)
■アフリカ地域の発生国
・カーボヴェルデ
       
<ジカウイルス感染症と小頭症等との関連>
2015年11月28日、ブラジル保健省は、妊娠中のジカウイルス感染症と胎児の小頭症等に関連が見られることを発表。
同省によれば、、同年11月から2016年3月第2週までに、同国内で6480例の小頭症の疑い例が報告された。
このうち、検査結果が確定した2212件のうち863件について、先天性小頭症及び(又は)中枢神経異常と判定されています。
現時点において、ジカウイルス感染症と小頭症との因果関係は明らかではありませんが、WHOが緊急事態を宣言したことを踏まえ、特に妊婦及び妊娠予定の方の流行国への渡航・滞在は可能な限り控えてください。
       
<ジカウイルス感染症>
1、感染経路
ジカウイルスによる感染症で、ウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。
極めて稀なケースとして、献血や性交渉による感染の可能性も指摘されています。
       
2、症状
ジカウイルスを保有した蚊に刺されて感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は2~12日。
主に2~7日で、およそ2割の人に発症すると言われています。
発症すると軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、疲労感、倦怠感などを呈しますが、一般的にデング熱やチクングニア熱より軽症と言われています。
       
3、治療方法
現在、ジカウイルス感染症には有効なワクチンや特異的な治療法はなく、対症療法が行われます。
ジカウイルス感染症が流行している地域で蚊に刺された後に発熱が続く、または発疹が出るなど、ジカウイルス感染症を疑う症状が現れた場合には、医療機関への受診をお勧めします。
         
4、予防
ジカウイルス感染症には有効なワクチンもなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。
これらの感染症の発生地域に旅行を予定されている方、1月~5月にかけて蚊の繁殖が最盛期を迎えますので、感染の予防に努めてください。
・外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくし、肌の露出した部分や衣服に昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を2~3時間おきに塗布する。昆虫忌避剤は、ディートやピカリジン等の有効成分のうちの1つを含むものを、商品毎の用法・用量で適切に使用する。一般的に、有効成分の濃度が高いほど、蚊の吸血に対する効果が長く持続すると言われている。
・室内では、電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を効果的に使用する。
・規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとることで抵抗力をつける。
・軽度の発熱や頭痛、関節痛や結膜炎、発疹等が現れた場合には、ジカウイルス感染症を疑って、直ちに専門医師の診断を受ける。
・蚊の繁殖を防ぐために、タイヤ、バケツ、おもちゃ、ペットの餌皿等を屋外放置しない、植木の水受け等には砂を入れるなどの対策をとる。

ニュースINDEX.2016年3月⑤
★社会・国内
『感染症』

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