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イギリス下院、離脱協定案を否決

2019年1月15日(日本時間16日)、イギリス下院が、離脱協定案を反対多数で否決しました。
     
離脱協定案は、イギリスのEU離脱後における、イギリス・EU関係の取極めを決めた協定。
移行期間を設けるなど、離脱後の社会変化を最小に抑えるためのものです。
     
下院の採決では、反対432、賛成202の大差で否決されました。
反対多数となった背景には、アイルランドとの国境問題があります。
   
イギリス政府が、EUとの間で合意したバックストップ(防御策)に対し、与党内に反対する議員が多くいるため、今回の否決となりました。
       
【バックストップ】
スポーツでボールが外へでるのを防ぐ柵。野球でいえば、バックネット(和製英語)がこれに当たります。スポーツ以外で使われる場合は、支援、援助、防御、補強、セーフティーネットなどの意味を持ちます。
   
イギリスのEU離脱で使われる場合は、離脱後におけるイギリスとEUの間の通商交渉が成立しない場合の「防御策」を指しています。
具体的には、アイルランドとの国境問題における防御策を指しています。
    
アイルランドとの国境は、1998年のベルファスト合意により、自由に行き来できることになっています。
ところが、今回の離脱により国境管理が行われることになれば、自由に行き来出来なくなる可能性もあります。
   
このため、通商交渉がうまくいかなかった場合の防御策(バックストップ)が、離脱協定で決められました。
防御策は、交渉が成立するまでの間、北アイルランドにEUの関税同盟が適用されるというものです。
  
事実上、離脱しても北アイルランドだけがEUに残る形となるため、イギリス与党内においても、離脱協定に反対する議員が多数います。
     
*ベルファスト合意…1998年にイギリスとアイルランドが結んだ合意
ニュースINDEX.2019年1月中旬
★政治・国際
『イギリス』
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