バンサモロ暫定自治政府の発足、歓迎
2019年2月22日、外務省が、バンサモロ暫定自治政府の発足について、外務大臣談話を発表。
フィリピン・ミンダナオ島では長年、政府と武装ムスリム勢力との衝突が続いてきましたが、2014年3月、両者の間で最終的な「包括和平合意」が署名されました。
その後、2018年7月26日、フィリピンのミンダナオ和平に関する「バンサモロ基本法」が成立し、2019年2月22日、住民投票を経て、バンサモロ暫定自治政府が発足しました。
これを受けての外務大臣談話。
バンサモロ暫定自治政府の発足に歓迎を表わすとともに、ミンダナオ支援を一層強化することも表明しました。
■ミンダナオ和平
ミンダナオは、フィリピン諸島の南端に位置し、フィリピンではルソン島に次いで2番目に大きい島。
ミンダナオ島には、14世紀に伝わったイスラム教を信仰するムスリムも多く、第二次大戦後、増加したキリスト教徒との間で衝突が発生。
これが、武装ムスリム勢力とフィリピン政府との紛争に繋がり、武力衝突が長年続きましたが、2001年、隣国のマレーシアが仲介に入り、フィリピン政府と最大の武装ムスリム勢力・モロ・イスラム解放戦線(MILF)との間で、和平交渉が始まりました。
2003年、停戦合意に至り、2004年からマレーシアを団長とする国際監視団(IMT)が活動を開始。
これにより、和平合意に向けた交渉は進展したものの、2008年8月、最大の懸案である土地問題の解決をめぐる国内調整に失敗、武力衝突が再燃。
その後、2010年2月から和平交渉が再開。
2011年8月には、アキノ大統領とムラドMILF議長が訪日し、東京近郊でミンダナオ和平問題の解決に向けた非公式会談が行われました。
2012年10月、マレーシア・クアラルンプールで、フィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)の和平交渉が行われ、10月7日、
ミンダナオ和平について、「枠組み合意」に達しました。
さらに、2014年3月、両者の間で最終的な「包括和平合意」が署名されました。
和平合意に基づき、バンサモロにおける自治地域が廃止され、新たに自治政府が創設されます。
具体的には、バンサモロ基本法が制定された後、住民投票が実施され、承認されれば、暫定移行政府を設置。
バンサモロ議会選挙を経て、新たな自治政府(バンサモロ)が創設されます。
2018年7月26日、フィリピンのミンダナオ和平に関する「バンサモロ基本法」が、ドゥテルテ大統領の署名により成立しました。
2019年2月22日、住民投票を経て、バンサモロ暫定自治政府が発足しました。
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