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野村証券の情報漏洩、金融庁が行政処分

2019年5月28日、金融庁が、野村證券とその親会社・野村ホールディングス(東京・中央区)に対し、行政処分を行ないました。
   
行政処分は、野村證券が東京証券取引所で議論されている市場区分見直し(上位市場の指定基準)に関する情報を、漏洩したことに対してのもの。
    
金融庁は、法令等諸規則に違反する行為ではないものの、野村證券については情報管理に係る経営管理態勢が十分ではないと認定、野村ホールディングス(HD)についてはグループ経営管理機能が十分でなかったと認定しました。
     
金融商品取引法第51条、金融商品取引法第57条の19第1項の規定に基づき、責任の所在の明確化を図り、改善計画を策定し、再発防止策の実施状況を定期的に報告するよう求めました。
 
■野村証券・情報漏洩事件2019
2018年10月29日、東京証券取引所は、上場制度に関する問題を検討するため、「市場構造の在り方等に関する懇談会」を立ち上げました。
  
懇談会では、市場区分見直し(上位市場の指定基準:上場維持の時価総額基準を現行の20億円から引き上げ)が検討されました。
上位市場の指定基準については、市場では、250億円または500億円のどちらかとみられていました。
   
この東証の懇談会には、野村HDのシンクタンクである野村総合研究所の研究員も、委員として参加していました。
       
研究員は、東証の担当者による懇談会についてのブリーフィングの中で、指定基準と退出基準を同一とするとの考えを聞き、「上位市場の指定基準が、時価総額250億円以上とされる可能性が高くなっている」と判断。
    
2019年3月5日、研究員は、野村証券のストラテジストにメールで、250億円(現在の一部直接上場基準)に落ち着く可能性が高くなっていると伝えました。
    
ストラテジストは、同日及び翌6日に、野村證券社内、ノムラ・インターナショナル(ホンコン)、外部のファンドマネージャー1名に対し、この情報を伝達しました。
  
情報を受けた営業員のうち7名の営業員が、少なくとも外部機関投資家延べ33機関に対し、情報を提供しました。
  
この情報の中で、時価総額250億円~500億円の東証一部銘柄のリストを添付し、「既に500億円という目線で売られているとしたら、買い戻される可能性があるかもしれません」という文言を加えているのもありました。
     
金融庁は、この情報漏洩について、法令等諸規則に違反する行為ではないものの、一部特定の顧客のみに情報を提供して勧誘する行為であり、市場の信頼性を著しく損ないかねない行為であると認定。
     
野村證券とその親会社・野村ホールディングス(東京・中央区)に対し、行政処分を行ないました。
      
行政処分は、金融商品取引法第51条の規定、金融商品取引法第57条の19第1項の規定に基づき、経営陣を含む責任の所在の明確化を図り、改善計画を策定し、再発防止策の実施状況を定期的に報告するよう求めました。
ニュースINDEX.2019年5月下旬
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