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南シナ海をめぐる問題

南シナ海は、台湾、フィリピン、ブルネイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、中国に囲まれた海。この南シナ海にある南沙諸島や西沙諸島については、周辺各国が石油、天然ガスなどの資源確保のため、領有権を主張、争っています。
   
特に近年、中国が勢力の拡大を始め、1995年、フィリピンが支配下に置いていた、南沙諸島のミスチーフ礁を実効支配。フィリピンがパトロールしていない台風時期を狙い、上陸。建造物を作り、支配しました。
         
2011年に入ると、中国の探査船が、フィリピンの領海内において、探査活動をくり返しました。
    
2013年、フィリピンは南シナ海をめぐる中国との紛争に関し、国連海洋法条約に基づく仲裁手続を開始。2014年3月30日、フィリピン政府は、申述書を仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)に提出。

2014年5月、中国の国有石油会社が、一方的に南シナ海の西沙諸島近くの海域で掘削作業を始め、掘削に反対するベトナムと対立。両国当局の船が、衝突をくり返す事態となりました。
       
2016年7月12日、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は、フィリピンと中国との間で起こっている南シナ海紛争について最終的な仲裁判断を下しました。

仲裁判断は、中国の主張(南シナ海のほぼ全域に中国の主権が及ぶ)は、法的な根拠が無い。また、中国が実効支配している南沙諸島は、満潮時は海面下となる「低潮高地」や岩であり、排他的経済水域(EEZ)や大陸棚は認められない。中国による、フィリピンのEEZ内での漁船妨害や人工島造成は、フィリピンの主権を侵害している。
       

*仲裁裁判所の仲裁判断は、国連海洋法条約の規定に基づくもので、その判断は最終的であり、紛争当事国を法的に拘束する。当事国は仲裁判断に従う必要がある

*国連海洋法条約…正式名は海洋法に関する国際連合条約

*参考…外務省発表、フィリピンによる国連海洋法条約に基づく仲裁手続について
 



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