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ミンクス合意

2015年2月12日に、ベラルーシの首都ミンスクにおいて、ウクライナとロシアとの間で調印されたウクライナ東部(ドネツク州とルガンスク州)の停戦に関する合意「ミンスク合意履行に関する総合的な措置」と、調停に当ったドイツ、フランスを加えた4ヵ国首脳による「停戦合意を支持するための共同声明」を、一般的にミンクス合意と呼ばれます(ミンスク2とも呼ばれます)。
         
「ミンスク合意履行に関する総合的な措置」は13項目から成り、停戦、安全地帯の設置、ドネツク州とルガンスク州の地方自治確立、逮捕や拘束されている人物の釈放・交換、人道援助の安全な搬入を保障、年金支出などの経済システムの回復、外国武装勢力のウクライナからの退去、非合法グループの武装解除などが合意されています。
      
その後、ドネツク州、ルガンスク州で大規模な戦闘は行なわれていないが、散発的な戦闘が続いています。また、両州の自治権確立も実現していません。
       
一方、2016年5月25日、ミンスク合意に基づき、ロシアに拘束されていたウクライナのナジーヤ・サウチェンコ飛行士(女性)が、ウクライナで拘束されていたロシア軍人2名との交換により解放されました。
       

*2014年9月5日に調印された合意もミンスク合意と呼ばれますが、このミンクス合意(ミンスク1)では停戦が実現せず、反故にされました。2015年2月12日のミンスク合意は、前年9月の合意と区別するため、「ミンスク2」とも呼ばれます
   

 
ミンクス合意までの経緯
   
1991年、ソ連邦崩壊により独立し、民主主義国家となるも、内政は混乱(度重なる首相の交代、議会解散と再選挙など)しました。

▮ 2013年

2013年11月21日以降、EUとの統合を目指す国民が、首都キエフの独立広場を中心にデモ(大規模反政府集会)を実施。2014年2月18日から、キエフでデモ隊と警察が衝突、多数の死傷者(死者82名)が発生する事態となりました。

▮ 2014年

2014年2月22日、反政府側が大統領府などを確保。ヤヌコーヴィチ大統領は大統領府を脱出し、ロシアへ逃走。最高会議(国会)はヤヌコーヴィチ大統領の解任し、大統領権限をトゥルチーノフ最高会議新議長に移管。大統領選挙を2014年5月25日に実施することを決めました。

これに対抗して、2014年2月27日から28日にかけて、クリミア自治共和国政府がクリミアにある主要施設を押さえました。
   
クリミアは元々ロシアの領土で、ソ連時代にウクライナに組み入れられていました。ソ連崩壊後、ウクライナに留まるも「自治共和国」となっていました。人口の60%はロシア人で、領内にはロシアの軍事基地も存在します。
          
2014年3月1日、ロシア上院が、ロシア系住民の保護を根拠にウクライナへの軍事介入を承認しました。
    
2014年3月11日、クリミア自治共和国議会がウクライナからの独立を宣言。3月16日、ロシアへの編入を問う住民投票が行われ、賛成多数で承認。3月18日、クリミアをロシアに編入する条約が締結しました。その後、ロシア連邦議会で条約が承認されました。
   
なお、クリミアの独立、及びロシアによる併合は、ウクライナ憲法、国連憲章、1997年に結ばれた「ロシア、ウクライナ地位協定」に違反するもの(国際法違反)であり、国連や西側諸国は認めていません。
   
ウクライナ東部においても、ロシア支持派住民が州政府の建物等を占拠して、ウクライナ政府と対立、戦闘状態に入りました。

2014年5月25日、ウクライナ大統領選挙が行なわれ、ペトロ・ポロシェンコ氏が当選。6月20日、ポロシェンコ大統領がウクライナ東部における一時的な停戦を命令。同時に、東部の情勢の解決に関する平和計画を発表しました。

2014年7月1日、一時的な停戦を打ち切り。以降、ウクライナ東部において、再び戦闘状態となりました。
    
▮ 2015年

2015年2月12日、ドイツ、フランス、ロシア、ウクライナの4首脳が、2月15日から停戦することで合意しました(ミンクス合意)が、履行されず、ウクライナはその後も不安定な状況(散発的な戦闘)が続きました。
    

   
ウクライナ
   
ウクライナは、東にロシア、西にハンガリー、ポーランド、ルーマニア、北にベラルーシ、南は黒海に面する東ヨーロッパの国。

面積は60万平方キロメートル強(日本の約1.6倍)、人口は4千5百万人強(2012年)です。主な民族はウクライナ人(78%)とロシア人(17%)。主な宗教は、ウクライナ正教とウクライナ・カトリック教です。
     
*参考…外務省発表「ウクライナ情勢」、「ウクライナ一般情報」




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