くにゅーニュース(Qnewニュース)
    ホーム    
近鉄名古屋線改軌の日

1959年11月27日、近鉄名古屋線が「狭軌」から「標準軌」へ改軌されました。
   
日本の鉄道には、2つの軌間(レール幅)が存在します。一つは狭軌(きょうき)で、軌間が標準軌より小さいものという意味ですが、日本では一般的に1067mmの軌間を指しています。
    
もう一つは標準軌で、鉄道線路の軌間が1435mmであるものを指します。
   
軌間は鉄道の能力に関わる重要な要素であり、軌間の異なる鉄道の間では通常、相互乗り入れはできません。
 
相互乗り入れ、鉄道の高速化、乗り心地の向上には、狭軌を標準軌へ改軌(軌間を変更すること)が必要です。
     
近鉄名古屋線は、三重県松阪市の伊勢中川駅から名古屋市までの鉄道路線(78.8km)。元々、伊勢電気鉄道・関西急行電鉄の路線で、軌間は狭軌でした。
    
このため、近鉄大阪線(標準軌)との間で乗り入れができず、近鉄の大阪・名古屋間は途中の伊勢中川駅で乗り換えすることを強いられました。
  
この状況を受け、戦後、当時の佐伯勇社長の下、名古屋線の狭軌から標準軌へ改軌が計画され、工事が始まりました。
     
工事中に伊勢湾台風が襲来し、名古屋線は壊滅的打撃を受けましたが、路線の復旧と同時に改軌を断行。1959年11月27日、近鉄名古屋線は改軌され、大阪から名古屋まで直通運転が行えるようになりました。
  
*狭軌から標準軌への改軌は膨大な費用が掛かるため、改修が進んでいませんが、近鉄名古屋線は数少ない改軌例となっています
     

 
鉄道の軌間問題
 
日本の鉄道に、2つの軌間(レール幅)が存在する問題。
     
一つは、狭軌(きょうき)で、軌間が標準軌より小さいものという意味ですが、日本では一般的に1067mmの軌間を指しています。もう一つは標準軌で、鉄道線路の軌間が1435mmであるものを指します。
   
軌間は鉄道の能力に関わる重要な要素であり、軌間の異なる鉄道の間では通常、相互乗り入れはできません。
 
また、一般に軌間が広いほど、輸送力や高速走行、乗り心地などに優れています。逆に軌間が狭いほど、建設費(コスト)は安くなるとされています。
    
明治の初め、日本はこの軌間について、よく理解せず、コストの安い狭軌をイギリスに進められるまま導入しました。
        
その後、明治の中頃になると、この間違いに気づき、狭軌から標準軌への改軌(軌間を変更すること)が提案されましたが、すでに狭軌の線路が多数建設された後で、改軌には膨大な費用が掛かるため、そのままとなりました。
     
明治の後半になると、標準軌を採用した私鉄が多く、特に関西私鉄では標準軌が主流となりました。
  
この結果、現在の日本では、大きく2つの軌間が存在し、狭軌はJRの在来線、関東私鉄の多くが採用、標準軌は新幹線、関西私鉄、地下鉄を中心に採用されています。
     
この軌間の違いは、相互乗り入れや新幹線建設時に大きな問題となり、踏切問題(踏切事故や開かずの踏切問題)とともに、鉄道の2大問題とされています。
 
踏切問題は「線路を地下化あるいは高架し踏切を無くす」、軌間問題は「改軌して標準軌にする」と答えが出ていますが、ともに莫大な費用が掛かるため、改修が進んでいません。
 
風景
近鉄特急(名阪特急)
    ページのトップへ