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エルニーニョ速報

6月のエルニーニョ監視海域(ペルー沖の海域)は、基準値より0.2℃低い海面水温になりました。気象庁はエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない「平常の状態」と判断しました。
     
今後の見通しについては、秋にかけて「ラニーニャ現象が発生する可能性」が高い(60%の確率)と判断しました(平常の状態が続く可能性が40%)。
   

*2024年7月10日、気象庁発表「エルニーニョ監視速報」より

*エルニーニョ監視速報は、大平洋赤道域・東部の海洋(俗に「ペルー沖」と呼ばれる海域)の状況です


   
海面水温・基準値との差
   
 2024年2月…1.8℃高い(+1.7℃)

 2024年3月…1.2℃高い(+1.2℃)

 2024年4月…0.8℃高い(+0.7℃)

 2024年5月…同じ

 2024年6月…0.2℃低い


*過去5ヵ月。カッコ内の数値は5ヵ月移動平均値。気象庁では海面水温の5か月移動平均値が、+0.5℃以上となった場合をエルニーニョ現象、-0.5℃以下となった場合をラニーニャ現象としています


   
エルニーニョ現象
   
大平洋赤道域・東部(日付変更線付近~南米のペルー沿岸)の海域で、海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象。逆に、平年より低い状態が続く現象は「ラニーニャ現象」と呼ばれています。
         
エルニーニョ現象が発生すると、東アジアでは西太平洋熱帯域の海面水温が低下し、西太平洋熱帯域で積乱雲の活動が不活発となります。

日本付近では、夏季は太平洋高気圧の張り出しが弱くなり、気温が低く、日照時間が少なくなる傾向にあります。また、西日本日本海側では降水量が多くなる傾向にあります。一方、冬季は西高東低の気圧配置が弱まり、気温が高くなる傾向にあります。
  
このため、エルニーニョ現象が発生すると、日本では「梅雨が長引き、夏は冷夏、冬は暖冬になる」と言われています。

顕著な例は1993年と2009年。1993年の夏は大冷夏となり、稲作が全国的に不作となりました(1993年の米騒動)。2009年の夏はアジア全土で多雨、西日本で長期的な豪雨となりました。


   
ラニーニャ現象
   
大平洋赤道域・東部(日付変更線付近~南米のペルー沿岸)の海域で、海面水温が平年に比べて低くなり、その状態が1年程度続く現象。逆に、平年より高い状態が続く現象は「エルニーニョ現象」と呼ばれています。
         
日本の気象庁では、大平洋赤道域・東部の海面水温が、基準値と比べ、5ヵ月移動平均値で-0.5℃以下となった場合、ラニーニャ現象が発生としています(速報の場合)。

ラニーニャ現象が発生すると、西太平洋熱帯域の海面水温が上昇し、西太平洋熱帯域で積乱雲の活動が活発となります。
   
このため、日本付近では、夏季は太平洋高気圧が北に張り出しやすくなり、気温が高くなる傾向にあります。

また、沖縄・奄美では南から湿った気流の影響を受けやすくなり、降水量が多くなる傾向にあります。
       
冬季は、西高東低の気圧配置が強まり、気温が低くなる傾向にあります。このため、日本では「夏は猛暑、冬は寒冬になる」と言われています。
       
*参考…気象庁・ラニーニャ現象、エルニーニョ現象について
  

風景


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