ベージュブック
アメリカ・FRBが発表している、アメリカ12地区の経済状況をまとめたレポート。アメリカ12地区の連邦準備銀行が、それぞれの地区の経済状況を報告、それをFRBがまとめたものです。
正式名は、現在の経済状況に関する報告の概要(Summary of Commentary on Current Economic Conditions)。報告書の表紙がベージュ色であるため、一般的には「ベージュブック」と呼ばれます。また、12地区の連邦準備銀行の報告をまとめたものであることから、「地区連銀・経済報告」とも呼ばれています。
アメリカ・FOMC(連邦公開市場委員会)が開催される2週間前の水曜日(年8回)に公表され、FOMCの金融政策の判断材料として用いられています。
ベージュブックは、1970年にアーサー・バーンズ(当時のFRB議長)の指示で始められ、当初は表紙が赤色であったため、レッドブック(赤い本)と呼ばれました。その後、表紙はベージュ色に変わりました。
なお、日本の地域経済報告が通称「さくらレポート」と呼ばれるのは、アメリカのベージュブックに対抗し、地域経済報告書の「表紙を桜色にした」ためです。
*さくらレポート…地域経済報告の通称。全国9地域の経済情勢を取りまとめたもの
12地区の管轄エリア
ボストン地区(第1地区)
コネチカット州の大部分、マサチューセッツ州、メイン州、ニューハンプシャー州、ロードアイランド州、バーモント州
ニューヨーク地区(第2地区)
ニューヨーク州、ニュージャージー州北部、コネチカット州の一部、プエルトリコ、バージン諸島
フィラデルフィア地区(第3地区)
ペンシルベニア州東部、ニュージャージー州南部、デラウェア州
クリーブランド地区(第4地区)
オハイオ州、ペンシルベニア州西部、ケンタッキー州東部、ウェストバージニア州北部の一部
リッチモンド地区(第5地区)
サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ウェストバージニア州の大部分、ワシントンD.C.
アトランタ地区(第6地区)
アラバマ州、ジョージア州、テネシー州東部、フロリダ州、ミシシッピ州南部、ルイジアナ州南部
シカゴ地区(第7地区)
アイオワ州、イリノイ州北部、インディアナ州北部、ウィスコンシン州南部、ミシガン州の大部分(ロウアー半島)
セントルイス地区(第8地区)
アーカンソー州、イリノイ州南部、インディアナ州南部、ケンタッキー州西部、ミシシッピ州北部、ミズーリ州東部、テネシー州西部
ミネアポリス地区(第9地区)
ウィスコンシン州北部、サウスダコタ州、ノースダコタ州、ミシガン州の一部、ミネソタ州、モンタナ州
カンザスシティ地区(第10地区)
コロラド州、カンザス州、ネブラスカ州、オクラホマ州、ワイオミング州、ニューメキシコ州北部、ミズーリ州西部
ダラス地区(第11地区)
テキサス州、ルイジアナ州北部、ニューメキシコ州南部
サンフランシスコ地区(第12地区)
アラスカ州、アリゾナ州、カルフォルニア州、ハワイ州、アイダホ州、ネバダ州、オレゴン州、ユタ州、ワシントン州、グアム、アメリカ領サモア、北マリアナ諸島
*管轄する連邦準備銀行(連銀)が担当。たとえば、ニューヨーク地区はニューヨーク連邦準備銀行が担当
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