安倍元総理の国葬、行われる
2022年9月27日、日本武道館(東京都千代田区)で、安倍晋三・元総理の国葬が行われました。
国葬(こくそう)は国家に功労のあった人物が死去した際、国家の儀式として行う葬儀です。
9月27日、好天の下、安倍晋三・元総理の国葬が日本武道館で行われました。戦後、2人目の国葬です(一人目は吉田茂・元総理)。
安倍晋三・元総理銃撃事件
2022年7月8日に奈良市において、安倍晋三・元総理(67)が銃撃され、死亡した事件。
安倍元総理は同日11時30分頃、参院選に出馬している自民党候補の応援のため、奈良市の近鉄大和西大寺駅の北口(平城京跡地側)付近で街頭演説を行っていたところ、背後より近づいた男に銃(銃弾2発)で撃たれました。
撃たれた安倍元総理は奈良県立医科大学附属病院に緊急搬送されましたが、8日17時3分に死去しました。死因は失血死で、銃弾の1発が心臓に達していました(付属病院の記者会見)。
安倍元総理を撃った男(山上徹也容疑者、41)はその場で警察関係者に取り押さえられ、現行犯逮捕されました。
奈良県警によると、山上容疑者は母親が信者で統一教会へ多額(1億円以上)の献金をし、家庭を崩壊(自己破産)させられたことへの恨みから、統一教会と深い関係にある安倍元総理の殺害を決意。自作した銃(散弾銃)で決行しました。
事件後の7月11日、世界平和統一家庭連合(統一教会)の田中富広会長が記者会見を開き、山上容疑者の母親が信者であることを認めました。
翌7月12日、統一協会による霊感商法被害の救済と根絶のために結成された弁護士の連絡会「全国霊感商法対策弁護士連絡会」が会見を開き、声明文を発表。
弁護士連絡会は殺害について、いかなる理由があろうとも決して許されないことであるとした上で、家庭を崩壊させる統一教会の活動について、行政(政府)がこの30年間以上、何もしていないことが問われているとしました。
また、安倍元総理は統一教会やそのダミー組織の一つであるUPF(天宙平和連合)などのイベントにメッセージを発信することを繰り返しており、弁護士連絡会は厳重な抗議を続けてきたことを明らかにしました。
*事件については現在も捜査中であり、今後、事実関係が変わる場合もあります。最終的には裁判において事実関係が明らかになると思われます
▮ 安倍元総理と統一教会の関係
安倍元総理の祖父である岸信介・元総理と、統一教会の教祖・文鮮明が盟友であったことから、安倍元総理自身も統一教会と親しい関係にあり、統一教会やそのフロント組織の一つであるUPF(天宙平和連合)などのイベントにメッセージ発信を繰り返していました。
2006年5月13日に統一協会のフロント組織である天宙平和連合(UPF)がマリンメッセ福岡で開催した「祖国郷土還元日本大会」に、安倍元総理(当時は官房長官)は内閣官房長官の肩書きを付して祝電を送っています。
2021年9月12日、韓国の統一教会施設から全世界に配信された統一教会のフロント組織である天宙平和連合(UPF)主催の「神統一韓国のためのTHINK TANK2022希望前進大会」と称するWEB集会において、安倍元総理が基調演説のビデオメッセージを提供しています。
また、この基調演説のビデオメッセージで、安倍元総理は、統一教会の現教祖である韓鶴子総裁(文鮮明前教祖の未亡人)を始めとする統一教会の幹部・関係者に対し、「敬意を表します」と述べています。
これらの安倍元総理の行動に対し、全国霊感商法対策弁護士連絡会はその都度、問題のない団体であるという「お墨付き」を与えるとして、安倍元総理に抗議を行っています。
▮ 統一教会
韓国のカルト宗教。正式名は世界平和統一家庭連合(家庭連合と略称される)。1954年に韓国で文鮮明により創設された。この文鮮明と安倍晋三元総理の祖父である岸信介とは盟友でした。
統一教会は日本で壺などを売りつける霊感商法を行っており、全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、明らかとなっているだけで、1987年から2021年までに霊感商法による被害件数は3万4537件。被害総額は約1237億円に上っています。
霊感商法物販には壺のほか、印鑑、朝鮮人参濃縮液などが用いられています。
また、統一教会は多数のダミー団体を持ち、このダミー団体を通じ洗脳し、「地獄に行く、天国にいけない」と信じ込ませ、莫大な献金を促されます(全財産を捧げる事を教義としています)。
統一教会の霊感商法などについては各地で裁判が行われ、統一教会の詐欺的入信勧誘や献金の説得について、組織的不法行為としました(最高裁)。また、裁判では統一教会の直接不法行為(民法709条)や使用者責任(民法715条)も認定しました。
▮ 全国霊感商法対策弁護士連絡会
統一協会(現在は世界平和統一家庭連合)による霊感商法被害の救済と根絶のために、1987年に全国の弁護士約300名により結成された弁護士の連絡会
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