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ジカ熱のPHEIC終了

2016年11月22日、外務省が、ジカウイルス感染症について、海外安全情報(広域情報)を発表。

2016年11月18日、WHOは、国際保健規則緊急委員会の第5回会合を開催し、2月1日に発出した、ジカウイルス感染症についての「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」の終了を宣言しました。
       
ジカウイルスについては、小頭症との関連性が科学的に証明されるなど、多くのことが解明されてきたのを受け、引き続き公衆衛生上の対策は必要であるが、もはやPHEICには該当しないとの見解を示しました。
        
また、このWHOによるPHEIC終了を受け、外務省もジカウイルスに関する感染症危険情報を取り下げました。
       
一方、ジカウイルス感染症は、現在も多数の国で発生しています。
発生国・地域に渡航される方は、十分に注意して下さい。
特に、妊娠中の方、妊娠を予定している方は、流行国・地域への渡航・滞在を可能な限り、控えてください。
      
<ジカウイルス感染症の発生状況>
■中南米地域の発生国
アルゼンチン、アンティグア・バーブーダ、バルバドス、ベリーズ、ボリビア、ブラジル、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、ドミニカ、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、グレナダ、ガイアナ、ハイチ、ホンジュラス、ジャマイカ、メキシコ、ニカラグア、パナマ、バハマ、パラグアイ、セントビンセントグレナディーン諸島、セントルシア、セントクリストファー・ネーヴィス、スリナム、トリニダード・トバゴ、ベネズエラ、ペルー、イギリス領(アンギラ、タークス・カイコス諸島、ケイマン諸島、バージン諸島、モントセラト)、フランス領(グアドループ、サン・マルタン、ギアナ、マルティニーク、サン・バルテルミー島)、オランダ領(アルバ、ボネール、キュラソー、シント・マールテン、シント・ユースタティウス島、サバ島)、米領(バージン諸島及びプエルトリコ)
         
■アジア・大洋州地域の発生国
インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、モルディブ、米領サモア、マーシャル、サモア、トンガ、パプアニューギニア、パラオ、フランス領(ニューカレドニア)、フィジー、ミクロネシア(コスラエ州)
■アフリカ地域の発生国
カーボヴェルデ、ギニアビサウ
■北米地域の発生国
アメリカ・フロリダ州の一部地域
         
■日本国内における感染者の発生
中南米における流行後、渡航歴のある9名のジカウイルス感染が確認されました。流行以前を加えると、日本国内でのジカウイルス感染症患者の発生は12例(全て輸入症例)。
       
<ジカウイルス感染症と小頭症等との関連>
2016年4月13日、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は、ジカウイルスが小頭症及びその他の重症な胎児の脳障害を引き起こす原因であると発表。
     
ブラジル保健省によれば、2015年11月から2016年10月第3週までに、同国内で9862例の小頭症の疑い例が報告された。
このうち、検査結果が確定した6827件のうち2063件について、先天性小頭症及び(又は)中枢神経異常と判定されています。
引き続き、妊婦及び妊娠予定の方の流行国・地域への渡航及び滞在は可能な限りお控えください。
       
<ジカウイルス感染症>
1、感染経路
ジカウイルスによる感染症で、ウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。
極めて稀なケースとして、献血や性交渉による感染の可能性も指摘されています。
       
2、症状
ジカウイルスを保有した蚊に刺されて感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は2~12日。
主に2~7日で、およそ2割の人に発症すると言われています。
(感染しても、8割の人には症状がでません)
発症すると軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、疲労感、倦怠感などを呈しますが、一般的にデング熱やチクングニア熱より軽症と言われています。
ただし、妊婦が感染した場合には、小頭症など、胎児に重篤な脳障害を引き起こすことが多い。
       
3、治療方法
現在、ジカウイルス感染症には有効なワクチンや特異的な治療法はなく、対症療法が行われます。
ジカウイルス感染症が流行している地域で蚊に刺された後に発熱が続く、または発疹が出るなど、ジカウイルス感染症を疑う症状が現れた場合には、医療機関への受診をお勧めします。
         
4、予防
ジカウイルス感染症には有効なワクチンもなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。
これらの感染症の発生地域に旅行を予定されている方、1月~5月にかけて蚊の繁殖が最盛期を迎えますので、感染の予防に努めてください。
       
・外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくし、肌の露出した部分や衣服に昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を2~3時間おきに塗布する。
昆虫忌避剤は、ディートやピカリジン等の有効成分のうちの1つを含むものを、商品毎の用法・用量で適切に使用する。一般的に、有効成分の濃度が高いほど、蚊の吸血に対する効果が長く持続すると言われている。
         
・室内では、電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を効果的に使用する。
・規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとることで抵抗力をつける。
・軽度の発熱や頭痛、関節痛や結膜炎、発疹等が現れた場合には、ジカウイルス感染症を疑って、直ちに専門医師の診断を受ける。
・蚊の繁殖を防ぐために、タイヤ、バケツ、おもちゃ、ペットの餌皿等を屋外放置しない、植木の水受け等には砂を入れるなどの対策をとる。

ニュースINDEX.2016年11月⑥
★社会・国際
『感染症・ジカ熱』


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