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ジカ熱、ドミニカ、フィジーも発生地域に

2016年4月7日、外務省が、中南米等におけるジカウイルス感染症の流行について(その10)、海外安全情報(感染症危険情報)を発表。

ジカウイルス感染症については、2月1日に世界保健機関(WHO)が、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」を宣言したが、以降も各国に広がっている。
今般、ドミニカ、フィジー、ミクロネシア(コスラエ州)が発生地域に追加され、感染症危険情報・レベル1(十分注意してください)が発表された。
特に、妊娠中の方、妊娠を予定している方は、流行国・地域への渡航・滞在を可能な限り、控えてください。
      
<ジカウイルス感染症の発生状況>
■中南米地域の発生国
バルバドス、ボリビア、ブラジル、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、ドミニカ、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ガイアナ、ハイチ、ホンジュラス、ジャマイカ、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、セントビンセントグレナディーン諸島、スリナム、トリニダード・トバゴ、ベネズエラ、フランス領(グアドループ、サン・マルタン、ギアナ、マルティニーク)、オランダ領(アルバ、ボネール、キュラソー及びシント・マールテン)、米領(バージン諸島及びプエルトリコ)
■アジア・大洋州地域の発生国
米領サモア、マーシャル、サモア、トンガ、タイ、フランス領(ニューカレドニア)、フィジー、ミクロネシア(コスラエ州)
■アフリカ地域の発生国
カーボヴェルデ
■日本国内における感染者の発生
中南米における流行後、渡航歴のある4名(神奈川県内の10代男性、愛知県内の30代女性、神奈川県内の女性、愛知県内の40代女性)のジカウイルス感染が確認されました。流行以前を加えると、日本国内でのジカウイルス感染症患者の発生は7例(全て輸入症例)。
       
<ジカウイルス感染症と小頭症等との関連>
2015年11月28日、ブラジル保健省は、妊娠中のジカウイルス感染症と胎児の小頭症等に関連が見られることを発表。
同省によれば、、同年11月から2016年3月第4週までに、同国内で6776例の小頭症の疑い例が報告された。
このうち、検査結果が確定した2485件のうち944件について、先天性小頭症及び(又は)中枢神経異常と判定されています。
現時点において、ジカウイルス感染症と小頭症との因果関係は明らかではありませんが、WHOが緊急事態を宣言したことを踏まえ、詳細な調査結果が得られるまでの間、特に妊婦及び妊娠予定の方の流行国・地域への渡航及び滞在は可能な限りお控えください。
       
<ジカウイルス感染症>
1、感染経路
ジカウイルスによる感染症で、ウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。
極めて稀なケースとして、献血や性交渉による感染の可能性も指摘されています。
       
2、症状
ジカウイルスを保有した蚊に刺されて感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は2~12日。
主に2~7日で、およそ2割の人に発症すると言われています。
発症すると軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、疲労感、倦怠感などを呈しますが、一般的にデング熱やチクングニア熱より軽症と言われています。
       
3、治療方法
現在、ジカウイルス感染症には有効なワクチンや特異的な治療法はなく、対症療法が行われます。
ジカウイルス感染症が流行している地域で蚊に刺された後に発熱が続く、または発疹が出るなど、ジカウイルス感染症を疑う症状が現れた場合には、医療機関への受診をお勧めします。
         
4、予防
ジカウイルス感染症には有効なワクチンもなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。
これらの感染症の発生地域に旅行を予定されている方、1月~5月にかけて蚊の繁殖が最盛期を迎えますので、感染の予防に努めてください。
・外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくし、肌の露出した部分や衣服に昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を2~3時間おきに塗布する。昆虫忌避剤は、ディートやピカリジン等の有効成分のうちの1つを含むものを、商品毎の用法・用量で適切に使用する。一般的に、有効成分の濃度が高いほど、蚊の吸血に対する効果が長く持続すると言われている。
・室内では、電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を効果的に使用する。
・規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとることで抵抗力をつける。
・軽度の発熱や頭痛、関節痛や結膜炎、発疹等が現れた場合には、ジカウイルス感染症を疑って、直ちに専門医師の診断を受ける。
・蚊の繁殖を防ぐために、タイヤ、バケツ、おもちゃ、ペットの餌皿等を屋外放置しない、植木の水受け等には砂を入れるなどの対策をとる。

ニュースINDEX.2016年4月②
★社会・国際
『感染症危険情報』

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