ケイマン諸島のカテゴリーを変更
2017年8月14日、外務省が、ジカウイルス感染症について、海外安全情報(広域情報)を発表。
世界保健機関(WHO)は、英領ケイマン諸島でジカウイルス感染症の伝播が中断していることから、同諸島のカテゴリーを1から3に変更しました。
また、パプアニューギニアの現在の伝播状況を鑑み、同国の分類をカテゴリー1から2に変更しました。
WHOは、ジカウイルス感染症について、4つのカテゴリーに分類して注意喚起を行っています。
妊娠中の女性に対しては、カテゴリー1、及び2に含まれる地域には渡航しないよう呼びかけています。
<ジカウイルス感染症の発生状況>
■カテゴリー1
2015年以降初めて、又は再び感染事例が報告され、現在も感染伝播が起きている地域
・アフリカ地域
アンゴラ、カーボベルデ、ギニアビサウ
・中南米地域
アルゼンチン、アンティグア・バーブーダ、エクアドル、エルサルバドル、ガイアナ、グアテマラ、グレナダ、キューバ、コスタリカ、コロンビア、ジャマイカ、スリナム、セントルシア、セントクリストファー・ネーヴィス、セントビンセント・グレナディーン諸島、ドミニカ共和国、ドミニカ、トリニダード・トバゴ、ニカラグア、パナマ、バハマ、パラグアイ、バルバドス、ベネズエラ、ベリーズ、ペルー、ボリビア、ホンジュラス、メキシコ、英領(アンギラ、タークス・カイコス諸島、バージン諸島、モントセラト)、フランス領(サン・マルタン、ギアナ)、オランダ領(アルバ、ボネール、キュラソー、シント・マールテン、シント・ユースタティウス島及びサバ島)、米領(バージン諸島、プエルトリコ)
・北米地域
米国フロリダ州の一部地域、米国テキサス州の一部地域
・アジア地域
シンガポール、モルディブ
・大洋州地域
サモア、ソロモン、トンガ、パラオ、フィジー、マーシャル、ミクロネシア
■カテゴリー2
2015年以前にウイルス伝播が確認、又は2015年以降新たに感染事例が報告され、中断なく感染伝播が起きている地域
・アフリカ地域
ウガンダ、ガボン、カメルーン、コートジボワール、セネガル、中央アフリカ、ナイジェリア、ブルキナファソ、ブルンジ
・中南米地域
ハイチ、ブラジル
・アジア地域
インド、インドネシア、カンボジア、タイ、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ラオス
・大洋州地域
パプアニューギニア
■カテゴリー3
感染伝播は途絶えているが、将来感染伝播が起こる可能性がある地域
・中南米地域
フランス領(グアドループ、サン・バルテルミー島、マルティニーク)、英領ケイマン諸島
・大洋州地域
バヌアツ、チリ領イースター島,クック諸島、仏領ポリネシア、仏領ニューカレドニア、米領サモア
■カテゴリー4
ネッタイシマカの生息が確認されているが、これまでに感染事例の報告がない地域
・アフリカ地域
エジプト、エリトリア、エチオピア、ガーナ、ガンビア、ギニア、ケニア、コモロ、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、サントメ・プリンシペ、ザンビア、シエラレオネ、ジブチ、ジンバブエ、スーダン、赤道ギニア、セーシェル、ソマリア、タンザニア、チャド、トーゴ、ナミビア、ニジェール、ベナン、ボツワナ、モザンビーク、マダガスカル、マラウイ、マリ、南アフリカ、南スーダン、モーリシャス、リベリア、ルワンダ、仏領マヨット、仏領レユニオン
・中南米地域
ウルグアイ
・中東地域
イエメン、オマーン、サウジアラビア
・ヨーロッパ地域
ジョージア、トルコ、ロシア、ポルトガル領マディラ
・アジア地域
スリランカ、中国、ネパール、パキスタン、東ティモール、ブータン、ブルネイ、ミャンマー
・大洋州
オーストラリア、キリバス、クリスマス諸島、ツバル、ナウル、ニウエ、ニュージーランド領トケラウ、米領(グアム、北マリアナ諸島)、仏領ウォリス・フツナ
<日本国内における感染者の発生>
中南米における流行後、渡航歴のある9名のジカウイルス感染が確認されました。流行以前を加えると、日本国内でのジカウイルス感染症患者の発生は12例(全て輸入症例)。
<ジカウイルス感染症と小頭症等との関連>
2016年4月13日、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は、ジカウイルスが小頭症及びその他の重症な胎児の脳障害を引き起こす原因であると発表。
ブラジル保健省によれば、2015年11月から2016年10月第3週までに、同国内で9862例の小頭症の疑い例が報告された。
このうち、検査結果が確定した6827件のうち2063件について、先天性小頭症及び(又は)中枢神経異常と判定されています。
引き続き、妊婦及び妊娠予定の方の流行国・地域への渡航及び滞在は可能な限りお控えください。
<ジカウイルス感染症>
1、感染経路
ジカウイルスによる感染症で、ウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。
極めて稀なケースとして、献血や性交渉による感染の可能性も指摘されています。
2、症状
ジカウイルスを保有した蚊に刺されて感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は2~12日。
主に2~7日で、およそ2割の人に発症すると言われています。
発症すると軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、疲労感、倦怠感などを呈しますが、一般的にデング熱やチクングニア熱より軽症と言われています。
ただし、妊婦が感染した場合には、小頭症など、胎児に重篤な脳障害を引き起こすことが多い。
3、治療方法
現在、ジカウイルス感染症には有効なワクチンや特異的な治療法はなく、対症療法が行われます。
4、予防
ジカウイルス感染症には有効なワクチンもなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。
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