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FOMC、3月上旬にQEが終了

2022年1月26日(現地時間)、アメリカのFRB・連邦公開市場委員会(FOMC)がゼロ金利の維持とQEの削減を決定しました。

FOMCは会合後の声明で、経済活動と雇用は引き続き強化されているとしました。一方、武漢肺炎によるパンデミック(供給不足)と、経済再開に関連する需要増大(供給と需要の不均衡)が、インフレ率上昇をもたらしているとしました。
   
連邦公開市場委員会は雇用最大化の促進と物価安定(インフレ率2%)を達成するため、ゼロ金利(0.00-0.25%)を決めました。また、インフレ率が非常に高くなっているため、まもなく政策金利引き上げが適切になると付け加えました。
   
出口戦略に入った量的緩和(QE)については、引き続き買い入れ額を削減させてことになり、この結果、3月上旬に量的緩和(QE)が終了することになりました。
   
金融政策は委員全員一致での決定です。次回の会合は3月15日、16日に予定されています。
   
*アメリカのインフレ率(消費者物価)は、2021年12月で+7.0%
    
*量的緩和(QE)…FRBが市場の国債や債券(MBS)を購入することで、通貨量を増加させ、景気の回復をはかる政策。今回の出口戦略強化(削減額を国債については100億ドル→200億ドル、MBSは50億ドル→100億ドル)により、3月に終了する予定
 
*MBS…Mortgage-backed securities、モーゲージ担保証券、不動産担保証券、住宅ローン担保証券などと訳されています

【FOMC声明概要】
■現状について
・経済活動と雇用は引き続き強化されている。
      
・武漢肺炎の影響をもっとも受けた分野は、改善してきているが、新たな変異種(オミクロン株)の急増により影響を受けている。
    
・インフレ率は上昇している。パンデミック(供給不足)と、経済の再開に関連する需給増大(供給と需要の不均衡)がインフレ率上昇の要因となっている。
  
・経済を支援するための政策措置などにより、財政状態は引き続き緩和的である。
    
*現状は、前回の判断とほぼ同じです

■金融政策について
・雇用最大化の促進と、物価安定(インフレ率2%)を目指す。
   
・政策金利、0.00-0.25%(ゼロ金利)を維持する。インフレ率が非常に高くなっているため、まもなく政策金利を引き上げる予定。
      
・量的緩和(QE:国債やMBSの買い入れ)を終了させていく。具体的には、買い入れ額を1ヵ月あたり国債は200億ドルづつ、MBSは100億ドルづつ削減せていく。この結果、3月上旬にQEが終了する。
    
【アメリカ金融政策】
アメリカ(FOMC)は、2008年、金融危機(リーマン・ショック)を受け、経済建て直しのため、ゼロ金利政策をスタートさせました。
  
さらに、量的緩和(QE)を3度(QE1、QE2、QE3)を行ないました。
    
QEは、FRBが市場の国債や債券(MBS)を購入することで、通貨量を増加させ、景気の回復をはかる政策。金利政策だけで景気回復が図れないとき、ゼロ金利政策に被せる形で行う金融政策です。
   
ゼロ金利などは、2015年まで続き、2015年12月のFOMC(連邦公開市場委員会)で解除、政策金利を0.25-0.50%に引き上げました。
        
その後、政策金利は2016年12月、2017年3月、6月、12月、2018年3月、6月、9月、12月のFOMCにおいて、毎回0.25%づつ引き上げました。
2019年7月のFOMCで、経済活動の拡大を図るため、政策金利を0.25%引き下げました。
     
さらに、2019年9月と10月のFOMCでも、0.25%づつ引き下げ、政策金利を1.50-1.75%としました。
     
2020年3月3日、FOMCの臨時会合で、武漢肺炎の感染拡大が経済活動にリスクをもたらしているとし、このリスクに対処するため、政策金利を0.5%の引き下げ、1.00-1.25%としました。

2020年3月15日、FOMCの臨時会合で、政策金利を1.0%の引き下げ、0.00-0.25%(ゼロ金利)としました。また、国債5000億ドル、MBS2000億ドルの買い入れを決定させました(QEスタート)。
     
2020年3月23日、FOMCの臨時会合で、国債やMBSの買い入れ(QE)を無制限としました。
    
2020年4月、6月、7月、9月、11月、12月のFOMCで、ゼロ金利とQEの維持が決定しました。
  
2020年12月のFOMCで、QEは少なくとも1ヵ月あたり国債を800億ドル、MBSを400億ドル買い入れるとしました。
    
2021年1月、3月、4月、6月、7月、9月のFOMCで、ゼロ金利とQEの維持が決定しました。
      
2021年10月のFOMCで、ゼロ金利の維持とQEの削減(出口戦略)が決定しました。QEの買い入れ額を、1ヵ月あたり国債については100億ドルづつ、MBSについては50億ドルづつ削減せていく。
   
2021年12月のFOMCで、QEの削減額を1ヵ月あたり国債については200億ドル、MBSについては100億ドルに変更しました。この結果、2022年3月上旬にQEが終了します。
   
*MBS…Mortgage-backed securities、モーゲージ担保証券、不動産担保証券、住宅ローン担保証券などと訳されています
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