つながらない線路

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風景
東山花灯路
   
「お願いがあります」
   
畠山警部補が改まって。

「先輩のことだろ?」

(畠山の性格なら、当然そうなる)
   
府警のOBが事件に関わっているのなら、自分たちだけで処理したい。兵庫県警の世話になることは避けたい。

「はい。ホテルに来ています。呼び出してきます」
   
ロビーで待機することになった。

風景
京都・鴨川
   
「先日は失礼しました」
   
ロビーに向かう廊下で、立石浩一とばったり。

「私の仕事は終りました」
   
立石が冷めた小さな声で応じた。そして、笑った。

「先乗りスコアラーでしたね?」
  
木下藤吉郎の行くところに先回りして、準備する役目であった。
     
「ええ。また、どこかで飲みたいですね」
   
それだけで別れた。

ロビーに戻り約10分、警部補が現れた。

「2階の会議室に来てもらいました」
   
会議室へ向かった。2日前、立石を取材した場所であった。
   
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