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原油価格、史上初のマイナス値

2020年4月20日(日本時間21日)、週明けのニューヨーク・マーカンタイル取引所のWTI原油先物価格(5月限)は、先週末より55.90ドル下落、1バレル-37.63ドルで取り引きを終えました。

新型コロナウイルス肺炎が、世界中で感染拡大している影響で、今年2月から原油価格は下落を続けています。
   
20日は、55ドルを超える下落となり、史上初のマイナス値(-37ドル)となりました。
マイナスは、販売側が購買側に対し、お金は払って買ってもらう(引き取ってもらう)こと。
  
新型肺炎の影響で石油の消費が落ち込み、回復の目途が立っていないこと、貯蔵施設に空きが少なくなり、今後、貯蔵することも難しくなったことが、マイナス値の要因とみられています。
 
なお、5月限は明日21日が最終取り引き日です。
    
*新型肺炎のアメリカでの感染者は、4月19日時点で75万9118人。死者は4万665人に上っています
世界全体では、感染者は235万2994人。死者は16万4077人(4月19日時点)
       
■2020年の原油取引状況
2020年に入ると、中東情勢の緊迫化により、1月3日には1バレル63ドル台まで上昇しましたが、すぐに情勢が落ち着き、1バレル59ドル台まで下落しました。
    
さらに、新型コロナウイルス肺炎が中国で感染拡大すると、石油需要が落ちるとの見方から下落の流れになり、2月4日には50ドルを割り込み、1バレル49ドル台での取り引きとなりました。
  
その後、新型コロナウイルス肺炎は中国だけでなく世界中に感染が拡大し、2月28日には1バレル44ドル台となりました。
 
3月に入っても、新型コロナウイルス肺炎感染の拡大が続き、また、3月6日のOPEC(石油輸出国機構)と主要産油国(ロシアなど)の会合が不調に終わった(石油減産で合意できず)ことから、3月9日には10ドル超の大幅な下落となり、1バレル31ドル台となりました。
 
その後も乱高下が続き、3月16日は3ドルを超える下落になり、4年ぶりに1バレル28ドル台で取り引きを終えました。
   
3月17日も大幅下落となり、1バレル26ドル台に、さらに3月18日には6ドル超の大幅下落となり、1バレル20ドル台で取り引きを終えました。

その後、OPECプラスが減産で合意するも、4月15日には18年ぶりに1バレル19ドル台、4月17日には1バレル18ドル台となりました。
   
下落継続は、減産量が少ないとの見方や、合意が守られないとの見方、新型肺炎の感染拡大により石油需要がさらに落ち込むとの見方に因ります。
 
4月20日、55ドルを超える下落となり、1バレル-37.63ドルで取り引きを終えました。
 
史上初のマイナス値は、需要回復の目途が立っていないこと、貯蔵施設に空きが少なくなり、今後、貯蔵することも難しくなったことが、マイナス値の要因とみられています。
  
*過去最高値は、2008年7月11日の1バレル147.27ドルです
*1バレルは159リットル(正確には158.987294928リットル)
ニュースINDEX.2020年4月下旬
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