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原油価格、1年で20%の下落

2020年12月31日(日本時間1月1日)、ニューヨーク・マーカンタイル取引所のWTI原油先物価格(2月限)は、前日末より0.12ドル上昇、1バレル48.52ドルで取り引きを終えました。

2020年は新型肺炎の感染拡大に伴い、需要が落ちるとの見方から下落の流れになり、4月20日には史上初のマイナス値(1バレル-37.63ドル)となりました。
 
その後、新型肺炎の影響で「自粛」していた経済活動が再開し、原油価格は上昇しましたが、感染拡大が続いていることから上値が重く、2020年は1バレル48ドル台(12月31日)で取り引きを終えました。
 
原油先物価格は前年比20.5%の下落です。
   
*1バレル…約159リットル
*原油価格は、景気や在庫、産油国による減産の状況、世界情勢(特に中東情勢)などにより乱高下の相場となっています
        
*原油価格はインフレ率と密接な関係にあり、アメリカ当局(FOMC)の金融政策に大きな影響を与えます。このため、原油価格の推移に注目が集まっています
         
■2020年の原油取引状況
2020年に入ると、中東情勢の緊迫化により、1月3日には1バレル63ドル台まで上昇しましたが、すぐに情勢が落ち着き、1バレル59ドル台まで下落しました。
    
さらに、新型コロナウイルス肺炎が中国で感染拡大すると、石油需要が落ちるとの見方から下落の流れになり、2月4日には50ドルを割り込み、1バレル49ドル台での取り引きとなりました。
  
その後、新型コロナウイルス肺炎は中国だけでなく世界中に感染が拡大し、2月28日には1バレル44ドル台となりました。
 
3月に入っても、新型コロナウイルス肺炎感染の拡大が続き、また、3月6日のOPEC(石油輸出国機構)と主要産油国(ロシアなど)の会合が不調に終わった(石油減産で合意できず)ことから、3月9日には10ドル超の大幅な下落となり、1バレル31ドル台となりました。
 
3月中旬以降も、新型肺炎の世界的な感染拡大が続き、3月18日には1バレル20ドル台まで下落しました。

その後、OPECプラスが減産で合意するも、4月15日には18年ぶりに1バレル19ドル台まで下落。
4月17日には1バレル18ドル台となりました。
   
下落継続は、減産量が少ないとの見方や、合意が守られないとの見方、新型肺炎の感染拡大により石油需要がさらに落ち込むとの見方に因ります。
 
4月20日、55ドルを超える下落となり、1バレル-37.63ドルで取り引きを終えました。
 
史上初のマイナス値は、需要回復の目途が立っていないこと、貯蔵施設に空きが少なくなり、今後、貯蔵することも難しくなったことが、マイナス値の要因とみられています。
   
5月限は取り引き最終日の4月21日は、大きく上昇し、1バレル10.01ドルで取り引きを終えました。
     
5月に入ると新型肺炎の影響で「自粛」していた経済活動が再開し、原油価格は上昇、5月4日に1バレル20ドル台、5月18日に1バレル30ドル台、6月22日に1バレル40ドル台を回復しました。
 
その後も少しずつ上昇するも、新型肺炎の感染拡大が続いていることから上値が重く、2020年は1バレル48.52ドル(12月31日)で取り引きを終えました。
   
*過去最高値は、2008年7月11日の1バレル147.27ドルです
*1バレルは159リットル(正確には158.987294928リットル)
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