太閤街道殺人事件
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「弁護士さんを連れて駆けつけてくれた。それで、すぐに釈放された」

「そのあと、植芝のおじいちゃんにきちんと謝ろうと思った。迷惑をかけてしまったから」

「あの日は、学校の創立記念日で休みだった。後援会の事務所に行けば、居所がわかると思って、朝1番に訪ねた」
     
植芝会長は、木下藤吉郎後援会の副会長。
      
「事務所には片山のおじさんがいて、ちょうど電話をしていた」
片山のおじさんは、梅田片山建設の片山豪太郎社長。

「盗み聞きするつもりは…」
     
「オレのことでユスられている、そんな話だった。こっちでカタをつける、会長は心配しないでください、片山のおじさんはそう言っていました」

「こっちでカタをつける、そう言ったんだね?」
岩田が確認した。

「はい。片山のおじさんの会話から、ユスってきた男は太閤街道ツアーに参加していると知りました」
   
「元々、オレの責任だから、ユスってきた男と話をつけるため、醍醐寺へ向かいました」
        
「午前中のツアーは、京都の醍醐寺を見学する予定になっていました」
    
「バイクで、京都へ向かったんだね?」
岩田の確認であった。
      
「はい。醍醐寺の駐車場でツアーバスを見つけました」
 
「ツアー客の中にクラブで見かけた男がいて、こいつだと思った」

「この男だね?」
岩田が和田かつ也の写真を見せた。

木下一樹がうなずいた。
      
「そのあと、ツアーバスを追跡して、有馬温泉に。ホテルの外で出てくるのを待った」

「午後5時半前、逃げ出したような感じで、その男が飛び出してきた。追いかけたけど、まかれてしまって…」

 
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大阪・なんばパークス
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