畠山刑事と別れたあと、岩田は自宅に帰り、就寝した。
起床したのが、午前7時。
着替えると、自宅を飛び出した。
愛車のオンボロ・ワゴンを取りにいくため、京都駅前のホテルへ向かった。
昨日から駐車したままであった。
地下鉄、JRを乗り継ぎ、午前8時過ぎ、京都駅前のホテルに到着した。
(さて、そろそろ行かないと)
しばらくロビーで休憩したあと、岩田はそう思った。
立石浩一と会うため、西区の七電を訪ねる予定であった。
そのとき、岩田の携帯電話が鳴った。
『畠山です。立石浩一がいません』
『昨晩、マンションに帰宅したところまでは、兵庫県警が確認していたのですが…』
『近所の人の話では、真夜中に車で出かけたようです。岩田さん、心当たりありませんか?』
電話は、後輩の畠山警部補からのものであった。
「いや、特に」
『それから、柿元順子も行方不明です。2日前、北新地のクラブを辞めています』
柿元順子は、殺害された和田の女。
同僚のカレンも、柿元順子がクラブを辞めたと言っていた。
「2日前?」
岩田が確認した。
『はい。急に辞めると言い出したそうです。同僚のホステスには、東京へ出て、やり直すと』
『時間があれば、伊吹警部に会ってくれませんか?』
『岩田さんの推理を詳しく聞きたい、と言っています』
「伊吹警部は、今どこに?」
岩田が尋ねた。
『捜査本部が置かれている神戸北署です』
畠山警部補が即答した。
岩田は、すぐに車で神戸北署へ向かった。
立石浩一が消えたため、予定を変更した。
兵庫県警の伊吹警部から、立石浩一の情報を貰うため、でもあった。
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