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英総選挙、保守党が大勝、離脱へ

2019年12月13日、前日に投票が行われたイギリス総選挙で、保守党が過半数を大きく上回る議席を確保、大勝しました。
       
イギリス総選挙は、議会・下院の議員を選ぶ選挙。
     
イギリスは、EU離脱を巡って行き詰まっており、与野党ともに選挙で決着を付けたいとの考えに至り、ジョンソン首相が提出した総選挙実施法案を野党も賛同。
     
11月6日に下院は解散、総選挙が始まり、12月12日に投票が行われました。
 
イギリスメディアによると、与党の保守党が改選前より48議席増の365議席を確保、大勝となりました。
一方、労働党は、59議席減の203議席となり、惨敗しました。
   
この結果、イギリスのEU離脱は、期限である2020年1月31日に予定通り実施される可能性が高くなりました。
 
*13日(イギリス時間)に全議席が確定。これに伴い14日に一部編集(議席数を修正)
       
■イギリス総選挙・結果
・保守党…365議席
・労働党…203議席
・スコットランド民族党…48議席
・自由民主党…11議席
・民主統一党…8議席
・その他…15議席
     
*総議席数は650議席
       
■イギリス総選挙
イギリス議会・下院の議員を選ぶ選挙。
       
イギリス議会は、上院(貴族院)と下院(庶民院)の2つから構成されます。
上院は世襲貴族と一代貴族の中から任命され、選挙は行なわれません。
       
一方、下院議員は選挙で選出され、この選挙は「総選挙」と呼ばれます。
定数は650議席。
選出方法は小選挙区制で、その選挙区で最多得票を得た候補者が当選となります。
       
任期は5年ですが、首相が下院の解散権を持ちます。
ただし、解散には議会の議決(3分の2に賛成)が必要です。
     
■イギリスのEU離脱:経緯
イギリスは、当初2019年3月29日にEUを離脱する予定となっていましたが、離脱後におけるイギリス・EU関係の取極めを決める離脱協定案が成立していないことから、2019年3月20日、EU側(欧州理事会)に離脱延期を要請
     
2019年3月21日、EU(イギリスを除く)側は、4月12日までの離脱延期を認めました。
   
その後、2019年3月29日にイギリス下院で離脱協定案が諮られましたが、賛成286、反対344で否決されました。
否決を受け、イギリス側がさらに2019年6月30日までの離脱延期を要請。
      
2019年4月10日、ブリュッセルで、イギリスのEU離脱延期についてのEU臨時首脳会議が開催され、2019年10月末までの延期を決めました。
  
離脱延期が続いたことを受け、与野党からメイ首相に対する批判が高まり、辞任を求める意見となりました。
この状況を受け、2019年5月24日、メイ首相は保守党(与党)党首を、6月7日に辞任すると発表しました。
    
*離脱協定案は、移行期間を設けるなど、離脱後の社会変化を最小に抑えるためのものです。離脱協定では、離脱後におけるイギリスとEUの間の通商交渉が成立しない場合の防御策「バックストップ」が決められましたが、これが問題となり、離脱協定案が成立しませんでした
     
・ジョンソン首相へ
2019年6月7日、メイ首相が保守党・党首を辞任し、新たな保守党・党首を決める選挙が始まりました。
決まった保守党・党首が、メイ首相に替わり、新たなイギリス首相に就任します。
   
党首選には、10人の保守党議員が立候補。
党首候補を2人に絞る議員投票が始まりました。

2019年6月20日、保守党の下院議員313名による5回目の投票が行われ、保守党の党首候補2名に、ボリス・ジョンソン前外相とジェレミー・ハント外相が選出されました。
     
7月、保守党党員による投票が行われ、同月23日、保守党が党員投票の結果を発表。
投票率は87.4%、得票はジョンソン前外相が9万2153票、ハント外相が4万6656票。
   
ジョンソン前外相が勝利し、新しい保守党党首に選出されました。
    
7月24日、メイ首相が退任し、ボリス・ジョンソン氏がエリザベス女王の任命を受け、新たな首相に就任しました。
    
・2020年1月末まで延期へ
2019年9月4日、イギリス下院が、EUからの合意なき離脱を阻止するため、離脱延期法案を可決。9月6日に同法案は上院も通過し、9月9日に成立しました。
       
離脱延期法は、離脱協定が成立しなければ、離脱延期をEUへ要請するよう義務付けた法律。
     
10月17日、イギリスとEUとの間で再交渉が行われていた離脱協定案が合意、欧州理事会で承認されました。
  
再交渉で、問題となっていた「バックストップ」条項は削除されましたが、その代わり、北アイルランドにおいて、一部の製品(農産物など)にEUの通関ルールが適用されることとなりました。
     
10月19日、イギリス下院は、新たな離脱協定案を採決せず、留保。
このため、離脱協定が成立せず、離脱延期法に基づき、イギリスがEUに対し、離脱延期を要請しました。
   
10月28日、EUがイギリスの要請を受け入れ、イギリスのEU離脱は2020年1月31日まで延期されることになりました。
      
・12月12日、総選挙へ
EU離脱を巡って行き詰まったことから、ジョンソン首相が提出した総選挙実施法案を、野党も賛同。
2019年10月30日、法案が成立し、12月12日に総選挙が実施されることとなりました。
  
11月6日、下院が解散し、12月12日の投票日に向け、総選挙が始まりました。
イギリスの総選挙(下院選挙)は、単純小選挙区制で、650議席(1人区が650)を争います。
   
12月12日、総選挙が行われ、開票の結果、保守党が過半数を大きく上回る議席を獲得し、大勝。
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