太閤街道殺人事件
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「次に運賃です!」

「なぜ、6百円なのか?」
    
ホワイトボードに、大きく『3万5千円』と書いた。

「一般的な通勤手当の限度額は、1ヵ月、3万5千円です!」
   
ホワイトボードの数字を叩いた。

「3万5千円までなら、会社から支給されるということです。もちろん、通勤手当に10万円支給する会社もあれば、月1万円しか出ない会社もあります」

「通勤手当の平均が3万5千円。そう言っているわけです」

通勤手当の限度額は会社によりバラバラ。支給されない会社さえ、ある。公務員の場合は月5万5千円が限度額である。
      
「一方、1ヵ月定期の運賃は、片道運賃に30から40を掛けた金額です。平均すると、片道運賃に35を掛けた金額が、1ヵ月定期の運賃です」

「たとえば、運賃が2百円であれば、1ヵ月の通勤定期は7千円前後です。5百円であれば、1万7千5百円。千円なら3万5千円」
   
これは簡単な計算方法であった。正確には定期運賃は「割引率」で計算する。1日2回乗車を基準に、ここから割り引くのである。
      
1ヵ月定期であれば、60回(1日2回×30日)乗車する金額が100%。この金額から、50%割り引きとか、33%割り引きをする。
            
割引率は鉄道会社により異なるが、大体、50%〜33%である。これに税金等の計算が加わり、定期運賃となるため、非常に複雑である。

だから、通勤定期(1ヵ月)は『片道運賃に30から40を掛けた金額』と説明する人も多い。実際、その辺りの金額となっている。
      
「会社が支給してくれる通勤手当は、月3万5千円」
    
「一方、1ヵ月通勤定期の運賃は、片道運賃X35」

「では、月3万5千円で済む、片道運賃は?」
    
ホワイトボードに『3万5千円=片道運賃X35』と書き足した。
      
「岩田さん、いくらになりますか?」
   
再び、壇上の一番前にやってきて尋ねた。

「千円ですね」
    
声がマイクを通して、会場に響いた。

「ありがとうございます」
   
礼を言うと、演壇の中央に戻った。

 
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