画商が帰ったあと、インターネットで調査を始めた。
まず、田々和かつ也。しかし、何も出てこなかった。
(やはり柿元順子だ。彼女が何も知らないとは思えない)
店の予約を取った。その後、畠山警部補に問い合わせた。画商については知っていたが、紹介した覚えは無いと応えた。
次にマッホの絵を調べた。
1987年のバブル時代、ニューヨークのオークションにかけられ、日本のリゾート会社が2億8千万円で競り落していた。
バブル崩壊後、会社が倒産、行方不明となった。銀行が差し押えたとか、政治家への贈り物に使用されたとか、色々な噂が出ていた。絵の価値はバブル時代、数億円という話もあった。しかし、現在では「3千万円程度」との話が出ていた。
(3千万円の購入契約は妥当のようだな)
時計は午後6時半を回っていた。着替え、事務所を飛び出した。
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