太閤街道殺人事件
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京都駅で小林優香を見送ったあと、岩田は滋賀の雄琴温泉へ向かった。
    
太閤街道ツアー2日目に利用したホテルを調査するためである。

雄琴温泉のホテルに到着後、関係者から話を聞いたが、何も得ることは無かった。

ただ、兵庫県警が丁寧に捜査していることはわかった。
       
ホテルの関係者を始め、出入りの業者、ホテルの玄関に停車していたタクシーの運転者も話を聞かれていた。

部屋の空きがあったので、宿泊することになった。
疲労のため、岩田はすぐに熟睡した。

久しぶりのデートは、精神的に疲れてしまったかもしれない。
      
翌朝6時、岩田は雄琴温泉のホテルを出発した。
     
車で国道161号線を南下、大津インターチェンジで名神高速に乗った。
その後、京滋バイパス、国道24号、国道163号と走り、南山城村に入った。

4日前、柿元順子は「山を越えたら三重県だが、間違いなく京都の宇治茶」を、和田かつ也がお土産に持ってきた。

昨日、小林優香は「710ー3」と書かれた紙を、和田かつ也が持っていた。

2つの話から、岩田は1つの仮説を立てた。
   
それを確かめるため、宇治茶の名産地・南山城村を訪ねた。
京都府の中で唯一、三重県と隣接している市町村である。

地図で確認しながら、山の中を走り回った。
しばらく走ると、広い道に出た。
      
(ここか…)
      
岩田は車を止めた。
道の脇には、無人販売所があった。

一袋千円と書かれた紙の上に、「普通のビニール袋に入った」お茶が置かれていた。

車を降りた岩田は、周りを見渡した。
近くの茶畑で、野球帽を被ったおじいさんが草取りをしていた。

 
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風景
雄琴駅
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秋空
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茶畑
    Qnewニュースプレゼンツ