警部補の説明はインターネットで得た情報と同じであった。
「木下の後援会長をしているはずだが?」
「はい。業界では木下が知事になれば、府の事業は彼が仕切ることになるとされています。調査にきたわけですね?」
「いや。この雑居ビルの方だ」
「このビルのオーナーも梅田片山建設。入居している会社もすべて関連会社です」
「淀第一不動産もそうなのか?」
「ええ。子会社です。社長の中館さんを訪ねて来たわけですね。一緒にどうですか?」
(?)
「ご存知ないのですか?」
首を左右に振った。
「中館誠、62歳。元住吉西署の署長で現在、梅田片山建設の顧問であるとともに、淀第一不動産の社長に就いています」
警察署長が建設会社に天下り、用心棒をしているわけである。警察ではよくあるパターン。
「府警の先輩ということか…」
「私にとっては、昔の上司なんです」
警部補が小さな声で告白した。
(今回の事件に先輩が関わっている可能性もある。捜査協力を求めるつもりか。だが、署長まで登った連中はタヌキやキツネが多い。一筋縄ではいくまい。お手並み拝見だな)
「捜査の邪魔をしたくない。ここで失礼するよ」
(畠山のおかげで、淀第一不動産と中館社長の情報を得ることができた)
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