太閤街道殺人事件
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「その日は、近鉄特急で名古屋へ向かいました。名古屋駅到着が午後5時過ぎ」
  
「駅構内で立石さんとばったり。翌日の準備のため、大阪に戻るとのことでした。翌日は大阪駅前のホテルでパーティです」
      
「午後5時発のアーバンライナーに、間に合わなかったとボヤいていました」
    
アーバンライナーは大阪まで直通する特急電車である。

「それで仕方なく、次の5時10分発、賢島行き特急に」
  
この特急に乗車すると、途中の伊勢中川駅で『難波行きの特急』に乗り換える必要がある。
    
「すぐに発車時刻となり、飛び乗りました。私はパーティが開催される駅前のホテルへ向いました」
     
「ホテル到着後はロビーで取材をしていました。午後5時半過ぎ、加美室長がフロントに現れて、部屋のカギを預けると、飛び出していきました。声を掛ける間も…」
    
「午後5時半過ぎで、間違いない?」
   
「正確には午後5時40分を回っていたと思います。パーティにも出席していません」
   
システム手帳で確認しながら応えた。

「パーティの様子は?」

「午後7時ちょうどに始まりました。最初に東海近畿電力の田ノ上会長が挨拶し、名古屋の財界人が多数出席されて…」

「あ、片山社長が参加していませんでした」
   
木下藤吉郎後援会の会長を務めている人物である。
      
「以前は名古屋のパーティにも出席されていたので、少し気になったのですが…」

「他の関係者は?」
    
「植芝会長と木下社長は会場にいました」

「パーティが終ったのは?」
   
「午後9時過ぎです」

 
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風景
近鉄電車
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名古屋駅前
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名古屋街中:©フォトック
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