くにゅーニュース(Qnewニュース)
    ホーム    
イギリスのEU離脱、期待を伝える

2019年12月21日、安倍総理が、イギリスのボリス・ジョンソン首相と電話による首脳会談を行ないました。
   
外務省によると、電話会談は約20分間行われ、イギリスのEU離脱を中心に話し合われました。
   
イギリスは、12月12日に行われた総選挙で、保守党が過半数を大きく上回る議席を獲得、2020年1月31日に予定通りEU離脱が実施される見込みです。
   
安倍総理は、イギリスのEU離脱について、日系企業の経済活動や世界経済への影響を最小限にする形で実現することに期待を伝えました。
 
これに対し、ジョンソン首相が、迅速かつ円滑に、最大限の安定性をもたらすようなEU離脱を実現したいと応じました。
 
また、安倍総理は、EU離脱後に新たな経済的パートナーシップ構築に取り組みたいことを伝えると共に、イギリスのTPP11加入について、支援を継続していく考えを伝達しました。
 
これに対し、ジョンソン首相は、日本・イギリス間の新たな経済的パートナーシップについて、日本EU・EPAを基礎に議論していきたいと応じました。
  
さらに、両首脳は、自由で開かれたインド太平洋を実現するため、協力を更に進めていくことで一致しました。
     
■イギリスのEU離脱:経緯
イギリスは、当初2019年3月29日にEUを離脱する予定となっていましたが、離脱後におけるイギリス・EU関係の取極めを決める離脱協定案が成立していないことから、2019年3月20日、EU側(欧州理事会)に離脱延期を要請
     
2019年3月21日、EU(イギリスを除く)側は、4月12日までの離脱延期を認めました。
   
その後、2019年3月29日にイギリス下院で離脱協定案が諮られましたが、賛成286、反対344で否決されました。
否決を受け、イギリス側がさらに2019年6月30日までの離脱延期を要請。
      
2019年4月10日、ブリュッセルで、イギリスのEU離脱延期についてのEU臨時首脳会議が開催され、2019年10月末までの延期を決めました。
  
離脱延期が続いたことを受け、与野党からメイ首相に対する批判が高まり、辞任を求める意見となりました。
この状況を受け、2019年5月24日、メイ首相は保守党(与党)党首を、6月7日に辞任すると発表しました。
    
*離脱協定案は、移行期間を設けるなど、離脱後の社会変化を最小に抑えるためのものです。離脱協定では、離脱後におけるイギリスとEUの間の通商交渉が成立しない場合の防御策「バックストップ」が決められましたが、これが問題となり、離脱協定案が成立しませんでした
     
・ジョンソン首相へ
2019年6月7日、メイ首相が保守党・党首を辞任し、新たな保守党・党首を決める選挙が始まりました。
決まった保守党・党首が、メイ首相に替わり、新たなイギリス首相に就任します。
   
党首選には、10人の保守党議員が立候補。
党首候補を2人に絞る議員投票が始まりました。

2019年6月20日、保守党の下院議員313名による5回目の投票が行われ、保守党の党首候補2名に、ボリス・ジョンソン前外相とジェレミー・ハント外相が選出されました。
     
7月、保守党党員による投票が行われ、同月23日、保守党が党員投票の結果を発表。
投票率は87.4%、得票はジョンソン前外相が9万2153票、ハント外相が4万6656票。
   
ジョンソン前外相が勝利し、新しい保守党党首に選出されました。
    
7月24日、メイ首相が退任し、ボリス・ジョンソン氏がエリザベス女王の任命を受け、新たな首相に就任しました。
    
・2020年1月末まで延期へ
2019年9月4日、イギリス下院が、EUからの合意なき離脱を阻止するため、離脱延期法案を可決。9月6日に同法案は上院も通過し、9月9日に成立しました。
       
離脱延期法は、離脱協定が成立しなければ、離脱延期をEUへ要請するよう義務付けた法律。
     
10月17日、イギリスとEUとの間で再交渉が行われていた離脱協定案が合意、欧州理事会で承認されました。
  
再交渉で、問題となっていた「バックストップ」条項は削除されましたが、その代わり、北アイルランドにおいて、一部の製品(農産物など)にEUの通関ルールが適用されることとなりました。
     
10月19日、イギリス下院は、新たな離脱協定案を採決せず、留保。
このため、離脱協定が成立せず、離脱延期法に基づき、イギリスがEUに対し、離脱延期を要請しました。
   
10月28日、EUがイギリスの要請を受け入れ、イギリスのEU離脱は2020年1月31日まで延期されることになりました。
      
・12月12日、総選挙へ
EU離脱を巡って行き詰まったことから、ジョンソン首相が提出した総選挙実施法案を、野党も賛同。
2019年10月30日、法案が成立し、12月12日に総選挙が実施されることとなりました。
  
11月6日、下院が解散し、12月12日の投票日に向け、総選挙が始まりました。
イギリスの総選挙(下院選挙)は、単純小選挙区制で、650議席(1人区が650)を争います。
   
12月12日、総選挙が行われ、開票の結果、保守党が過半数を大きく上回る議席を獲得し、大勝。
ニュースINDEX.2019年12月下旬
★政治・国際
『イギリス』
京都
    ページのトップへ